キャリアガイダンスVol.423
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校内に開いた喫茶室に地域の人が集う。生徒は企業実習で、食品製造補助、事務作業、物流会社でのピッキング、入庫品の管理などさまざまな仕事に取り組む。学校で企業就労地域で企業で入学卒業1ステージ● 働くことの基礎・基本を学ぶ● 挨拶・言葉づかい・身だしなみ・マナー● 役割をやり遂げ、役に立っている実感を得る● 自分の得意・不得意、課題について理解する● いろいろな仕事を体験、苦手なこと、難しいことにも挑戦● 自分のアピールできること、向いていることを見つける● 自分の進みたい路(みち)を自分で決める● 希望の職種が良いのか? できるのか? を見極める● 実習を重ね、課題を乗り越え、自分でチャンスをつかむ● 卒業後の働く生活を具体的にイメージする● できること、できないことを整理する(支援体制を整える)● 職場に慣れる● 余暇の過ごし方を知る2ステージ4ステージ3ステージ共通教科・専門教科等地域協働活動企業実習「キャリアプラン」(移行支援に特化した個別の包括支援プラン)「キャリアデザイン」(学びの履歴を記録し今後の見通しを立てるツール)1976年設立/産業総合科生徒数104人(男子82人・女子22人)進路状況(2018年3月卒業生)就職28人京都市左京区岡崎東福ノ川町9-2  075-771-5510 http://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?id=400206高等部単独の特別支援学校。2004年に職業学科「産業総合科」を開設。専門教科「食品加工」「農園芸」「情報印刷」に分かれた学習や、長期企業実習を組み込んだカリキュラムを軸に「働く力」の向上を図っている。14年度より3年間、同校を含む京都市立総合支援学校職業学科3校で文部科学省「キャリア教育・就労支援等の充実事業」の指定を受け、自己肯定感を育むための地域協働・共生型活動の開発に取り組んだ。ストレスを感じる生徒や、自分の経験を将来像に結びつけて考えられない生徒が少なからず出てきたのだ。 例えば、コンテストに入賞するほどパソコン処理力を磨いた生徒は、そのスキルを買われて就職したが、3カ月も経たずに離職した。やりがいをもっていたのはパソコン処理に対してであり、働く意欲を十分に育てられなかったと、同校は振り返る。設定。職業学科として当然の使命という認識からだが、教員の意識を高める狙いもあったという。 「それまで学校は、生徒が就職できない原因を、本人の能力や家庭環境など、学校以外の問題に転嫁していた面もあったように感じます。そんな現場の意識を変え、同じ方向性をもって強い意志で取り組んでいくため、あえて明確な数値目標を打ち出しました。それにより、教員も生徒と一緒に企業の現場を知ろうとし、働くことの意味を考える動きが後押しされたようです」(森脇元校長) しかし、「デュアルシステム」の実習先の確保は容易ではない。企業に対する啓発も同校の役割の1つと考え、地元企業団体を巻き込み、これまで実績のなかった大企業に対しても働きかけを強化。学校と企業のパートナーシップによる人材育成と雇用創出の必要性を訴え、理解や協力の拡大にあたってきた。 企業実習を繰り返すなかで、生徒には著しい成長がみられた。仕事のスキルは確実に向上。それまで困難と思われていた仕事ができるようになるなど、潜在能力を引き出すことも少なくない。また、障がい者に対する企業の前向きな理解が進み、支援の在り方や職場環境の見直しにも効果があったという。 そうした成果の一方で、課題も浮き彫りになった。企業実習に行くことに強い図1 「デュアルシステム」を取り入れた教育課程構造図 高い効果の一方で生徒の内面の課題が浮き彫りに472018 JUL. Vol.423

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