キャリアガイダンスVol.423
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AIやロボットにより、近い将来、現在、存在する職業の多くはなくなると言われています。正確には、作業の中身が変わるのであって、職業そのものがすぐになくなるとは思いません。ただ、作業自体が職業を指しているような職種は、やはり確実になくなっていくでしょう。そうした変化を見据えたとき、教育が担うべきは、AIが不得意とする分野です。汎用型AIの登場はさしあたり前提とはせずに、それは何かを考えると、ゼロから何かを生み出す創造性や、物事を俯瞰して捉える総合力、喜怒哀楽の感情を含む本質的なコミュニケーションなどがあげられます。 本学が大切にしてきた教育を現代いるからです。 改革の第一歩として進めているのが、経済学部と経営学部の分離です。もともと経済と経営を多角的に学ぶために設置されていた経済学部の経済経営学科を分離。経済学部には新たに、プログラミングやビッグデータを扱う経済数理学科や、地域と連携したプロジェクト型授業に力を入れる現代経済学科など、より専門的な学科を設置する予定です。また、経営学部には、法律や心理学を含め総合的な人間の営みとして経営を捉える総合経営学科を設置するつもりです(いずれも仮称)。 本学は、吉祥寺にあるおしゃれな大学というイメージに違わず、スマートな学生が多く、ギスギスしたところがありません。半面、もう少し尖った部分も必要です。その点、チームで課題に取り組むことは、互いの主張をぶつけ合う訓練になるでしょう。 その好例が、現在行っているMBT(丸の内ビジネス研修)というプログラム。全学から選抜された学生をチームに分け、企業からの課題に取り組むもので、グループワークのあり方など私の教育観を注ぎ込みました。最後のプレゼンは堂々したもので、成長ぶりは見事。これらを皮切りに、強く尖った学生を育てていくつもりです。【学長プロフィール】きたがわ・ひろし●1960年生まれ。一橋大学経済学研究科博士後期課程単位取得満期退学。89年成蹊大学専任講師(経済学部)就任。99年教授。学長補佐、キャリア支援センター所長、経済学部長を経て2016年4月より現職。【大学プロフィール】1912年創立の成蹊実務学校を源流とし、25年創設の旧制高等学校(7年制)が戦後の学制改革によって49年、成蹊大学に。経済学部(経済経営学科)、法学部(法律学科、政治学科)、文学部(英米文学科(※)、日本文学科、国際文化学科、現代社会学科)、理工学部(物質生命理工学科、情報科学科、システムデザイン学科)。※2019年度より英語英米文学科に名称変更。的にアレンジした「成蹊メソッド」にも、こうした考え方が背景にあります。 1つ目は、eラーニングを拡充させる一方、学生と教員が問題を共有し、創造的、総合的に語り合う少人数ゼミナール体制を強化すること。 2つ目は、教室外学修の充実。フィールドワーク、インターンシップ、留学など、現実社会に触れることでコミュニケーション力を高めます。 3つ目は、自己の専門を確立しつつ、他分野の人とチームを組む「専門コラボレーション」という考え方。幅広い分野で50点取れる人材一人よりも、特定の分野で90点取れる人材の集合の方が力を発揮するのは明らか。チーム作りこそ、人間に長けた能力だと考えて̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/平山 諭成蹊大学学長北川 浩創造力、総合力、コミュニケーション力を備え、かつ、尖った人材を育てたい512018 JUL. Vol.423

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