キャリアガイダンスVol.423
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思い描いている授業のあり方目指す生徒像校内のインクルーシブ教育推進● 思いを伝え合ってお互いの違いを認め合うことができ、 協働が必要ならば意見調整をして力を合わせることもできる● 生涯にわたり音楽と楽しく付き合うことができ、人生をより豊かなものにしていける共生社会について、生徒が自ら考え学ぶ機会(講演会や体験学習)の創出組織的な授業改善(見てわかる支援の充実など)生徒が特別な支援を必要とするときに利用できるリソースルームの設置音楽の授業・ 生徒同士で(音楽について)思ったことを伝え合い、違いを認め合う・ グループワークで(音楽を)どのように表現するか、自分たちで考え、意見を出し合い、一つの形にまとめていく・ いろいろな音楽を表現することや鑑賞することの楽しさにふれる・ 音楽を一人ではなく、なるべくみんなで一緒に楽しむ他教科の授業の活動と結びつく体験音楽の授業ならではの体験「みんなで音楽をやるのって楽しい」という感覚を生徒同士で活動するためのエネルギーにしてにぎやかすぎるほどで、かと思えば歌唱や演奏のときはびっくりするほど真剣だ。 課題がないわけではない。リコーダーの演奏では、今年度の1年生に全体練習についてこられず固まった生徒がいた。 「授業の事前事後のフォローも考えなければと思いました。ただ、授業中にその生徒だけ別の課題をさせたくはないんです。数学のように個別指導が効果的な教科もありますが、音楽は一人でやるより、みんなでやったほうが楽しいですから」 石井先生自身の課題もあるという。 「教員なりたてのころは特別支援の研修を中心に受けていたので、音楽の教材研究がまだ足りないんです。生徒にはいろいろなジャンル・地域の音楽にふれさせたいし、ヴァイオリンや三線などいろいろな楽器も体験させたい。そのためにも、まずは 3学期の自由演奏。各チームの練習が佳境を迎えるころには、生徒同士で話し合う姿もだいぶ様になってくる。困っていないかと石井先生が声をかけても「自分たちでやるので」と袖にされたりする。女子が男子に「ここちゃんとやってよ」と注文をつけたかと思えば、男子が「僕はこう思ったから」と反論することも。 「そういう姿を見ると、君たち1年間がんばってきたね、と嬉しくなります」 音楽の授業を2年次も選択した生徒はさらにパワーアップ。授業冒頭の雑談は私のなかに『興味をもってやってみたらこんなに楽しいんだ』と思えるものを、もっと増やしたいです」 その体感した音楽の楽しさを授業でも届けられれば、生徒たちの創意工夫しようとする意欲も一層高まると考えている。 「生徒たちの発想に泣かされたこともあります。ある曲の最後のワンフレーズを、伴奏で誘導もしていないのに、みんながすっごく優しく歌ったんです。なんて感性豊かな子たちだろう、って。音楽というのは、ふれてなくても受験や就職には困らないだろうけれど、ふれていけば生活がより楽しくなるものだと思うんです。おいしいものを食べたり、きれいなものを見たりしたときに感動するだけでなく、音楽にも心震わす人になって、人生をより豊かなものしていってほしいです」生徒はこう変わる意見調整や創意工夫を真剣に楽しむように■ INTERVIEW――4月5月でどんな授業が印象に残っていますか?「グループに分かれて、手拍子で誕生日のリズムを取る授業です」「0から9まで、タタンとかそれがリズムが決まっていて、自分の生年月日をそのリズムに当てはめて手を叩いて。それをグループで一緒にやるんです」「ほかのクラスのまだ話したことのない人ともやったりして、楽しかったです」――初対面の人と話すのは緊張しない?「緊張します。でもリズムでやることがあったから。せーの、で」――カラオケで歌うのと、授業で歌うのって、何か違います?「授業のほうが、なんか、むわーってくるものがあります」(体の中を何かが込み上げるような手ぶりを交えながら)「授業だとみんなでより意識するからじゃない?姿勢とか。歌い方とか」「カラオケと違ってほぼ地声だけで(どう表現するかを)やるしね」――中学校で受けた音楽の授業とは、変わったところはありますか?「全然違います。中学のときは、机もバラバラで横の人とも相談できなくて、先生からやってください、といわれたらやって。終わりです、といわれたら終わる感じでした」「石井先生はめっちゃ話しかけてくるしね。なんか笑いをとろうとしてくる」「リズムとか音とか、わからなかったりしたらすぐ聞いたりできます」――これまで音楽が苦手だった人はいますか?「私は苦手でした。美術も書道も苦手だったので音楽にして。でも今の授業は楽しいです。みんなとできるからかな。話し合いとかグループワークが多いんです」みんなで話して、意識し合って音楽に取り組むのが楽しい1年7組の皆さん572018 JUL. Vol.423

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