キャリアガイダンスVol.424
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現場の疑問に回答!新学習指導要領が示す新たな探究の時間とは 総合的な学習の時間(以下「総合的な学習」)は、急速に変化し複雑な問題が増えている社会に対応していくため、平成10〜11年の学習指導要領改訂で小・中・高校の教育課程に新たに創設された時間です。各学校の創意・工夫に基づき横断的・総合的な学習に取り組むという、かつてない内容に、各学校は試行錯誤を重ねながらも真摯に取り組んできました。 それから約20年が経ち、現在では「総合的な学習」のさまざまな効果が確認されるようになりました。高校では、探究の過程を意識するなかで社会に参画し地域の活性化に結びつく事例や、この時間をきっかけに各教科の学習が主体的・協働的に変わってきた事例が生まれました。また、学習姿勢の改善にも大きく貢献するものとして、OECDをはじめ国際的に高く評価されています。 一方で、課題もあります。学校によって取り組み状況に差があることや、探究の学習プロセスに十分ではない部分があることなどです。今回の改訂では、創設の趣旨は継承しつつ、これらの課題の改善と進化を目指しています。 新旧の目標(第1の目標)を比べると、表現に若干の違いはあるものの、探究の見方・考え方を働かせて横断的・総合的な学習を行うという基本的な方向性に大きな変わりはありません。そのなかで特筆すべきは、育成を目指す資質・能力をより明確化したことです。 今回の改訂は「資質・能力改訂」と呼ばれることもあるほど、学習者主体の視点で、全体的に「何ができるようになるか」が重視されています。すべての教科等で同様なのですが、総合的な探究の時間(以下「総合的な探文部科学省 初等中等教育局 教育課程課 教科調査官渋谷一典しぶや・かずのり●札幌市立小学校教員、札幌市教育委員会指導主事を経て、2017年から現職。国立教育政策研究所 教育課程研究センター 研究開発部 教育課程調査官を併任。小学校生活科および小・中・高校の総合的な学習の時間に関する研究、指導・助言にあたっている。20年間の実施成果と課題を踏まえ、さらなる進化を図るためなぜ「総合的な学習の時間」は改訂されたのか育成を目指す資質・能力が3つの柱で明示された点に注目を「総合的な探究の時間」の目標はこれまでとどこが違うか取材・文/藤崎雅子 撮影/平山 諭「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」へ。各学校では、その変更の狙いや、これまでとの違いをどう理解し、どのような準備をしていくことが求められているでしょうか。現場の疑問や不安を、文部科学省の渋谷調査官に投げかけてみました。112018 OCT. Vol.424

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