キャリアガイダンスVol.424
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体としての狙いもあったと言及する。 「4つの学科が4つの学校にならないように、総合学科における地域密着の探究活動を、各科の取り組みを結びつける核にしていけたら、と考えています。本校が目指す『地域とともに』学習する場を実現し、そのなかで生徒には、課題解決力やコミュニケーション能力 佐伯豊南高校は、佐伯鶴岡高校と旧・佐伯豊南高校が統合して2014年に開校した学校だ。総合学科、食農ビジネス科、工業技術科、福祉科の4つの学科がある。 同校の総合学科は、生徒がさまざまな機会を生かしながら地元の活性化に取り組む探究活動を行っている(図1参照)。その名も「SHAプロジェクト(SAIKI HOUNAN ALL)」だ。個々の活動には学科を超えて生徒が応援に加わることもあるという。 探究活動に力を入れた理由を、総合学科主任の堂脇 真理子先生は「4つの学科になったからこそ、総合学科の魅力を築きたかった」からだと語る。総合学科らしい魅力とは何か。 「総合学科には将来何をしたいかまだわからないまま、または漠然とした夢をもって、入学してくる生徒がたくさんいます。そうした生徒たちに、さまざまな揺さぶりをかける学びを用意したかったのです。この学科で学ぶなかで生徒の興味・関心が呼び起こされ、自分で次の道を切り拓いていく『自分力』も磨いていけるように。揺さぶる仕掛けとしてこの地域で何ができるか模索したところ、周囲から期待以上のご協力を頂けることになり、今の形になっていきました」(堂脇先生) 教頭の後藤 香代子先生は、学校全など、変化の激しい社会に対応する力を育んでほしいと思っています」 SHAプロジェクトはまず、入学早々生徒に「見る力、聞く力、調べる力、まとめる力、発表する力を身に付けよ取材・文/松井大助2013年創立/総合学科、食農ビジネス科、工業技術科、福祉科/生徒数586人(男子296人・女子290人)/進路状況(2017年度実績)大学24人、短大26人、専修86人、就職93人学校データ教頭後藤 香代子先生総合学科副主任羽田野 明美先生図1 佐伯豊南高校の探究活動の概要3年「未来」の時間(総合的な学習の時間)生徒一人ひとりが個別に課題を設定し、「佐伯の活性化」または「自身の興味・関心・進路」につながる研究を行う2年「虹」の時間(総合的な学習の時間)10人前後のグループで、地元・佐伯を盛り上げる企画を考える。その活動のために佐伯の風土・文化・産業なども学ぶ1年産業社会と人間「自分を見つめ、将来の夢を描き、自分の力で実現させていく」ことを目的に、さまざまな体験学習や発表に取り組む探究の核となる授業(SHAプロジェクト)校外探究における「情報収集」「仮説の実行・検証」「発表」などに活用する場所・チャンス「産社」「虹」「未来」の探究活動とさまざまな機会を関連付け課題研究をする「虹」の時間や「未来」の時間は、生徒は10人前後のグループに分かれて、基本的に校内で活動する。ただし、その活動にさまざまな課外活動も関連付けられており、実際には生徒たちは地域を舞台にして探究活動を行う。地元のお祭り(春の祭典や夏の七夕祭り等)地元商店街に出店のアンテナショップ地元事業者や役所でインターンシップ校内総合学科実践報告会(全学年発表)4学科合同学修成果発表会(全学年発表)地域の人などを招いたワークショップや講話来校した海外の学生や留学生との交流4月の学科集会での各学年の活動発表市・県・国内での各種コンテスト大学の出前講座、学校見学総合学科主任堂脇 真理子先生自分で道を切り拓けるよう生徒に揺さぶりをかけたい地域や学校にある資源を研究テーマに合わせて各自活用地域連携で脚本のない探究ができる「場所」や「チャンス」を提供生徒が自分力を磨き、未来を切り拓く探究で育む生徒の資質・能力佐伯豊南高校 (大分・県立)Report 1佐伯豊南高校(大分・県立)172018 OCT. Vol.424

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