キャリアガイダンスVol.424
18/66

う」と投げかけて始まる。以降も折にふれて示される合言葉だ。 次いで1年生は、「産業社会と人間」で、右の写真の産社新聞にあるような体験学習を行う。その狙いを、総合学科副主任の羽田野 明美先生は「興味・関心がどこに転がっているかわからない生徒のスイッチが押されることを期待している」と語る。 2年生は「虹」の時間と名付けた総合的な学習の時間(以下総学)に、グループによる課題研究に挑む。観光、商品開発、防災などの大テーマから興味ある分野を選び、1グループ10人前後に分かれて「佐伯市を盛り上げる企画」を練るのだ。5月までに研究テーマを決めるが、単なる調べ学習になっていないか、担任・副担任の先生と面談で確認する。6月には別府大学で探究の進め方の講義も受け、活動のイロハを押さえたうえで研究を進めていく。 続く3年生は、「未来」の時間とした総学で、個別の課題研究に取り組む。研究テーマ一例は図2のとおりだ。授業には担任と副担任のほか、各教科から選任された担当も加わり、1教員が10人前後の生徒の探究活動を見守る。 この探究活動で特徴的なことは、生徒が地域や学校にある資源を、研究テーマに合わせて個別に柔軟に、自分の活動に生かしていることだ。 例えばスイーツの商品開発を研究する生徒は、授業に菓子職人を講師として招いて試作品への意見をもらい、地元のお祭りで商品を販売してお客さんの反応も見る。観光プランを考える生徒は、2年次のインターンシップで市役所の企画の立て方を学び、留学生の来校時に自分たちの企画をプレゼンして感想をもらう。地元の食材を調べる生徒は、食農ビジネス科の生徒と一緒に芋の苗を植え、地域の人と協働で育てる。いわば、地域や学校で起こるすべての物事が、生徒の探究における情報収集や、考えたことの実行・検証・改善の場になっているのだ。 そうした活動で探究の質を深めたうえで、3学期には総合学科全体で発表会を実施。さらに4学科合同で、生徒同士が各科で取り組んだことを発表して学び合う催しも行っている。 佐伯豊南高校ではまさに十人十色なやり方で探究活動が進むわけだが、生徒たち全員が最初から具体的な行動をイメージできていたわけではない。 カギを握るのはそばにいる先生だ。探究活動に付き添ってきた堂脇先生や羽田野先生は、「生徒が想いを口に出したときに、教員が耳を傾けて動く」ことを大事にしてきたという。 「例えば生徒から『こんな研究をしたい』『ここがわからない』といった相談を受けたら、答えを示そうとするのではなく、そこに向かうためのとっかかりを一緒に探すんです。市役所の窓口や地域おこし協力隊に相談できないかな、地元のラーメン屋さんを訪ねてみようか、といったように」(羽田野先生) 「生徒が取り組んだことをお披露目できる機会も作ります。お祭りや留学生との交流の場、コンテスト。探究の進め方を伝えたら、我々があとやることは『場所』や『チャンス』を提供し、生徒が活動できるようにすることだと思うのです」(堂脇先生) 管理職である後藤先生も、探究活先生が教えられなくてもいいむしろ「教えてはいけない」写真右上は商店街やお祭りに出すアンテナショップ。右下は個別研究、地元産のカボスから精油を抽出。左上はワークショップのようす、左下は4学科合同学修成果発表会。1年次の「産業社会と人間」の授業の活動を生徒自身がまとめた産社新聞。図2 3年生「未来」の時間の個別研究テーマ例分野生徒それぞれのテーマ観光佐伯の恐い観光名所 ~お化けを見たい~佐伯ラーメンを全国へ ~ホームページで佐伯を紹介佐伯フォトポスター ~フォトポスターでPR活動~イベント東北と九州をつなぐ絆 ~県を越えたスイーツ図書館利用率を上げよう ~目指せハッピーセブン全員達成~商品開発ゲーム制作 ゲームで佐伯を広めようカボスぷりんの研究 ~佐伯の特産品を使った商品開発~ご当地ソング ~佐伯のご当地ソングを作ろう♪~食佐伯のお魚世界を旅する ~佐伯の魚を知り尽くせ!~スポーツと食事 ~スポーツと食事の関係性保育おやっ!! ~栄養いっぱい! 苦手なものの克服~子どもの笑顔で佐伯を元気に! ダンスでつくる笑顔の輪医療食べやすい病院食づくり~医療に役立つために~佐伯で作るリハビリ ~佐伯から広げるリハビリの輪防災私たちの身近な危険 ~命を守るために~楽しくできる防災訓練をしよう182018 OCT. Vol.424

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る