キャリアガイダンスVol.424
20/66

 大阪ビジネスフロンティア高校(以下OBF)は、3校の商業高校を統合して開校した7年目の新しい学校だ。単なる「商業」ではなく、「ビジネス」のプロフェッショナルの育成を目標とし、設立時から特色ある教育で注目されている。 従来の商業科では、資格検定に通ることが目標となってしまったり、商業科の学び=仕入や売買の会計知識の学びと考えられてきた。しかしIT化、AI化された現代社会では、簿記や会計の資格だけもっていることがアドバンテージとはならない。 資格や専門性を活かして新しいビジネスを生み出せる人材、グローバルで活躍できる英語とビジネスに長けた人材の育成を目的とし、卒業後も学びのモチベーションをもち続ける生徒を育てようとしている。 そのために、従来の商業高校よりも英語の単位を多く設置するとともに、探究型学習に力を入れている。 同校の特色として、高※大接続7年間を見通したカリキュラムを組み、学び続けたい生徒には連携5大学に特別入学制度があるが、高大連携科目である1年生の「ビジネス基礎」、2・3年生の「ビジネスマネジメント」、3年生での「課題研究」が探究型学習と位置づけられている(図1)。また、地域連携や産学連携の連携の取り組みも多々ある。 1学年の「ビジネス基礎」や2学年の「ビジネスマネジメント」では、同校オリジナルのテキストを活用してビジネスの基本を学ぶ。また、連携大学の教授や会社経営者などの外部講師による特別講座や、実際の企業の財務分析や調査などに取り組む演習を行うことで、生徒の社会やビジネスへの関心を高めている。 そのうえで、3学年の「課題研究」では、生徒は自分の興味や好きなことからテーマを発想。それを1・2学年で学んだビジネスの手法と結びつけるように指導されている。例えば、サッカーが好きな生徒であれば、球団経営をテーマとするなどだ。同校では、海外研修や外部講師の講義の際などさまざまな場面で、「この取り組みで自分は何を学ぶのか」という学びのテーマを生徒自身が考える習慣づけをしている。常に課題感をもって学校活動を行っているため、「課題研究」のテーマ設定で悩むことはほとんどないという(図3)。 テーマを立てたら、まずクラスメートの前でそれを選んだ理由を発表する場がある。その後、情報収集やプレゼンの方法、論文の書き方などを学びながら、並行して個人の研究を進めていく。2月に最終論文にまとめた後に、クラス発表、代表者による学年発表、2年生対象の発表と、発表の場が多数用意されている(図2)。仲間の発表を聞くことで自分の課題を見直したり、表舞台に立つ機会を増やすことで、生徒が緊張感をもって探究に取り組み、積極性を養う狙いもある。取材・文/長島佳子学校データ:2012年創立/グローバルビジネス科/生徒数832人(男子219人・女子613人)/進路状況(2017年度実績)大学139人、短大14人、専修54人、就職84人、その他17人学校データ専門性を活かして、新しいビジネスを創出できる人材を学びのテーマを常に意識課題を察知する感度が高まる校長川口 伊佐夫先生教頭藤 宏美先生※小誌Vol.403「先進校に学ぶキャリア教育の実践」参照http://souken.shingakunet.com/career_g/2014/07/2014_cgvol403_42.pdf図1 大阪ビジネスフロンティア高校の教育課程■共通科目 ■英語 ■情報 ■会計 ■高大接続科目国語総合(4)現代社会(2)数学Ⅰ(3)科学と人間生活(2)体育(3)保健(1)総合英語(4)英語表現(2)情報処理(3)簿記(5)ビジネス基礎(3)HR(1)国語演習(4)日本史B(2)数学A(2)化学基礎生物基礎(2)体育(2)保健(1)英語理解(4)英語表現(2)ビジネス情報(4)財務会計Ⅰ(3)原価計算(3)ビジネスマネジメント Ⅰ(3)HR(1)現代文B(4)日本史B(2)世界史A(2)数学演習(2)体育(2)家庭基礎(2)音楽Ⅰ美術Ⅰ書道Ⅰ(2)英語理解(4)選択A(2)選択B(2)選択C(2)課題研究(3)ビジネスマネジメント Ⅱ(3)HR(1)1年2年3年探究型学習ビジネスの本質は新しいものを生み出すこと探究を通して、成すべきことを感じる感性と学びの目標を自分で決める力が育つ大阪ビジネスフロンティア高校(大阪・市立)202018 OCT. Vol.424

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る