キャリアガイダンスVol.424
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 OBFでは、探究型学習の授業だけでなく、教科も含めたすべての学校活動で、生徒が探究する姿勢を養う仕掛けをしている。 「ビジネスは、ある目的を達成するための手段であり、目的は人それぞれで、自分で見つけねばなりません。探究はそのための訓練です。つまり、探究はキャリア教育そのものなんです。生徒が自分の人生や学びの目的、課題を見つけるための材料を、多様に提供できる学校でありたいと考えています」(川口伊佐夫校長) その仕掛けの一つが、昨年から実施している「プライムデー」だ。先生たちが自分の趣味など、好きなテーマについて講座を開く1日限定のイベントで、インスタ映えする撮影方法や、ビートルズについてなど、多様な内容が繰り広げられている。複数講座を実施する先生もおり、全100講座を生徒たちが自由に聴講することができ、学びへの興味・関心を広げることに役立っている。 「1学期の期末考査後の多忙な時期にもかかわらず、先生たちは楽しんでやっています。校長発案のイベントですが、実は教員自身の探究だったのだ、と思いました」(藤教頭) 「先生たち自身が学びを楽しいと思っている姿を生徒に見せることが一番です。本来それが教員になった動機のはずで、原点回帰してもらいたかったのです」(川口校長) また、従来、商業高校の実習は販売実習がほとんどだったが、寄付金で仕入れた物の販売では身に付くことが少ないと川口校長は考えた。そこで、株式会社形式にし、生徒が自分たちが売りたいものを考え、プレゼンし、生徒や教員から出資金を募って、お金が集まったプロジェクトのみ実施できることとした。 これらの探究を意識した学校活動の根本にあるのが、「新しいものは楽しい気持ちがないと生まれてこない。だから学校は楽しくなければならない」という川口校長の理念だ。 「教員は『教える』ことが好きな人がなりがちですが、それで生徒は楽しいのか、ずっと学び続けたいと思えていたのかは疑問です。学校は生徒がメインでなければいけません。生徒の内面を揺さぶりながら、学校活動を通してやる気にさせることが教員の役割です。図2 3年生が取り組む「課題研究」のステップ月ステップ内容4月課題を設定するゴールデンウィーク明けごろまでに課題設定5月第1回レポート提出1分間スピーチ 研究テーマを決定する7月第2回レポート提出(中間論文) 研究の進捗状況を原稿用紙6枚以内に記述し、中間報告を提出 9月中間報告プレゼンテーション(中間発表) 中間論文の内容をみんなの前で発表11月最終論文提出 1年間の研究成果をまとめて、A4用紙で5~10枚の最終論文として提出1月最終報告プレゼンテーション(最終発表) 各クラスで代表を決定し、各クラス代表は、学年全体前で発表会に参加。さらに2学年全体前で発表 あらゆる学校活動で探究の姿勢を養う仕掛けを埋め込む学校が楽しくなければ生徒に学びの意欲はわかない図3 「課題研究」の論文テーマ例論文テーマ町の書店の減少について東京ディズニーリゾートに学ぶヒトのマネジメント音楽は人に貢献している?マレーシアヤクルトの今までとこれから~日本企業が海外のローカルブランドに勝つには~百舌鳥駅に快速電車を停車させるにはバター不足と酪農家について今後の日本映画宣伝のあるべき姿通販サイトAmazon.comが成功した仕組みどうすれば待機児童は減るの?そこから見える日本の経済と実態について1学年の「ビジネス基礎」での演習。企業と連携して商品開発や財務分析などを行う。この日はショッピングセンターの設計をグループで考えた。2学年の「ビジネスマネジメント」での演習。「お弁当の企画」をテーマに、ターゲットやコストも自分たちで考え、利益が上がるお弁当を考え発表した。今年度実施した「プライムデー」の様子。「消しゴム版画いかがですか?」の講座で熱心に消しゴムを彫る生徒(上)。「リアルでびっくり!プロフェッサー松浦とわくわく食品サンプル作り体験!」では、博士になりきった先生が食品サンプルの歴史から解説(下)。オーストラリアの2校の姉妹校と交流体験を行っているほか、連携大学の留学生との交流イベントを実施。グローバル教育とビジネス教育を融合させている。探究で育む生徒の資質・能力大阪ビジネスフロンティア高校 (大阪・市立)Report 1212018 OCT. Vol.424

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