キャリアガイダンスVol.424
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やる気になれば生徒たちは教員の予想を超えた結果を出してきます。だから私は先生たちに、どんな試みでも『やってみーや』と言っています」(川口校長) 自分の頭を使って、さまざまな課題に向かう体験を積んできた同校の生徒たちは、「課題研究」を通して確かな成長を見せている。課題研究の感想文には、熱量の高い思いがびっしりと書き込まれていた(図4)。 また、卒業生たちは、進学先や就職先から非常に高い評価を受けているという。ある提携大学では、入学直後の上半期の成績上位5%に、OBFの特別入学制度の学生が全員入っていたそうだ。学びの目的をもって進学しているため、モチベーションが継続していると考えられる。そして、OBFでの学びが役立っていると実感している様子が図5のアンケートからもうかがえる。 川口校長は、探究を通してさらに生徒の「感性」も磨きたいという。自分や相手の立場、社会に対する感度が高くなければ、新しい経験をする際に、自分が何をすべきかを察知することができない。多方面から思考し、視野が広がる探究による学びで感性が育ち、それが卒業生たちの学びのモチベーションにつながっていると感じている。 同校の現時点での課題は評価方法だ。現在はテストでの数値評価と、ルーブリックでの評価を4対6で行っているが、評価を生徒のやる気につなげるにはどうあるべきか、比率も含めて検討している。 「探究活動の今後の取り組みとしては、全国の高校とコラボしたいと考えています。47都道府県すべての学校と連携できたらいいですね。国内でも地域が変われば文化も異なります。それが生徒の視点の移動につながり、新たなものの見方を育めると思います」(川口校長) アイデアあふれる校長と、同校のさらなる取り組みに期待したい。探究設計へのヒント生徒が自分で課題を見出せるようにさまざまな学校活動ごとに、自分自身で学びのテーマを常に考えさせている1生徒が主体的に学ぶように生徒自身の興味・関心とビジネスとのつながりを意識させる授業展開をしている2学びのモチベーションを高めるために生徒を表舞台に立たせる機会をたびたび与えている3学びのモチベーションを維持し高めている卒業生たち図4 「課題研究」の生徒の感想(抜粋)●自分で計画を立てて行動することがとても身に付いたように思います。期限に合わせて放課後パソコンを使って取り組んだり、家でも自主的に取り組むことが多くなったように思います。クラスみんなの発表を聞いて自分とは何が違うのかということも考えました。それぞれいろんな視点で研究していて、退屈だと思うものは一つもなく、内容が全然違っていて個性が出てすごいなと思いました。●課題研究の授業を通して「研究テーマについての知識」「自分の知識・意見を表現すること」「相手への伝え方」を学べました。調べていくうちにどんどん知識を広めることができ、自分がもつ興味を引き出すことのできるよい機会だったと思いました。これらを学べたことで、普段の生活の中でも活用できる内容を一年間学んでこられたと思いました。卒業してからも学んだことを活かしてがんばりたいと思います。●一番初めの1分間スピーチではあんなに緊張していたのに、最終プレゼンでは自分が思っていたよりも長い、7分近くもしゃべったので、今思えばとても成長したと思います。●自分自身を知ってもらうことが大切だと思いました。知ってもらうことで人の輪も広がっていくし、知識もどんどん増えるのではないかと思います。図5 卒業生の感想●OBFで学んだ「会計」「情報」「英語」は役立っていますか?●大学生活は充実していますか?●大学進学後に高校時代に学んだ学習で 役立った内容は何ですか? (自由回答)▶ 課題研究です。この授業で行った企業調査・スライド作成・10分間のプレゼンをしたことが、新商品のアイデアを発表するコンサル基礎演習の授業で役立ちました。▶ 経営・経済・会計など。商学部で学ぶ基礎を高校の時に学んでいたので、あらゆる講義がとっつきやすかった。▶ 情報の授業で学んだPowerPoint、Excel、Wordがとても役立った。英語でプレゼンするときに使えます。レポート作成のときも役立ちます。▶ マネジメントについて学んでいた知識が大学の経営学講義に活かせ、理解もしやすかった。会計67.6%16.9%4.2%2.8%8.5%■とても役立っている ■役立っている ■どちらともいえない ■役立っていない ■まったく役立っていないとても充実している33.8%あまり充実していない 0.0%まったく充実していない 0.0%充実している54.9%どちらともいえない11.3%情報44.4%37.5%15.3%2.8%英語2.8%23.6%50.0%20.8%2.8%222018 OCT. Vol.424

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