キャリアガイダンスVol.424
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の国語科教諭である齋藤祐先生が考案した「探究マップ」だ。生徒たちは苦労して集めた情報をすべて論文に盛り込もうとし、まとまりがつかなくなる傾向がある。それを、問いから結論に導くまでに必要な情報かどうかを精査し、絞り込み、説得力のある論理構成に仕立てるための道筋としてわかりやすくフォーマット化されている(図4)。生徒たちは「探究マップ」を、中間発表である「探究型学習研究会」でのポスターセッションの準備段階と、最終論文を書く前の2回作成している。 外部にもオープンにし、10月に実施している「探究型学習研究会」は、発表のスキルアップだけでなく、質問やを作成することで生徒自身の興味・関心から思考を広げながら、情報を整理して、最終的にどんな問いにすれば研究を進められそうかということが理解しやすくなっている(図3)。マインドマップは自己分析にも使えるため、自分が何に興味があるかがわからない生徒も、自分の関心領域を発見することに役立つという。 「論題設定は課題研究のスタートであり核である一方、生徒たちが最も不安を感じるステップです。生徒の視野を広げることなどに教員が関わって、論題決定まで2カ月かけています」(後藤先生) 「論理的な文章を作成する」ために取り入れているのが、中央大学杉並高校反論を受け付けることで、「探究マップ」を作り直し、研究に磨きをかける目的がある。 「自分が考えた結論に確証バイアスがかかっていないことも証明させるために反論検証をさせていますが、反論に気づいたり、新たな視点の発見にもポスターセッションは役立っています。事後に結論が変わる生徒もいるくらいです」(後藤先生) その他のステップでも、情報の集め方、信憑性のある情報に触れる方法、資料の引用方法、参考文献の書き方など、論文やプレゼンスライドを作成する際のマナーについても細かく指導。出所が定かではない情報がネット上にあふれる現代において、大学や社会に出てからも必ず役に立つ内容ばかりだ。 そして12月に最終の論文としてまとめている。 高校では2年3カ月かけて「自由研究」に取り組む。1学年の6月にテーマを設定し、1・2学年で情報収集や調査、中間発表を繰り返して内容を精査していき、3学年の6月に最終論文に仕上げる。 「学びの技」でテーマ設定から論文にまとめるスキルを身に付けているため、高校での自由研究の深度が増している図2 「学びの技」の学習ステップ(中学3年生)月学びのステップ内容4月「学びの技」の準備「学びの技」についての基本的知識を学ぶマインドマップの作成自分の興味・関心を掘り下げて、論題を絞りこんでいく5月論題(問い)の決定研究テーマを決定する6月情報収集本、新聞、雑誌、Web、対面など情報の探し方を学びながら、研究に必要な情報収集をスタート7月情報の取捨選択集めた情報を証拠収集シートを使って整理する論理的な構成ポスターセッション用のスライドを作成するために、自分の論題を論理的に結論に導くための「探究マップ」を作成9月ポスターセッションの準備10月の「探究型学習研究会」でのポスターセッションに向けて、研究内容のサマリーをスライドで作成する10月ポスターセッションで発表する外部にもオープンな「探究型学習研究会」で発表する11月論文にまとめるポスターセッションをふり返り、修正内容を検討し、論文執筆用に改めて「探究マップ」を作成12月論文執筆1月論文提出完成した論文の提出図3 生徒が作成した「マインドマップ」自分の関心事からつながっていくキーワードやイメージでマインドマップを作成することで、関心事を研究対象とするための具体的な問いへと集約していく助けになっている。図4 生徒が作成した探究マップ集めた情報を論文にまとめるために、「問い」→「基本知識」→「根拠」→「結論」に整理していく。*小誌ダウンロードサイトでは空のフォーマットがダウンロードできる。※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.424)基本スキルを身に付けた上で本格的な課題研究に取り組む242018 OCT. Vol.424

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