キャリアガイダンスVol.424
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デザインにおけるタテの関係だとすれば、ヨコの関係、すなわち教科等間の連携においても、総合は大切な役割を果たします。 冒頭で述べた通り、本来、学び手である生徒は、いろいろな教科を学びながら総体として成長していくもの。各教科で学んだことが相互に関連したときのほうが、より深い理解に結びつくし、実際の場面でもより活用できることは明らかです。 なのに、現実には、教科ごとに閉じている意識が強い。特に高校の場合、各教科の専門性がはっきりしているため、学校運営上、教科等間で横串を刺すことはあまりしてきませんでした。教科部会や教科ごとの会議はあっても、学校全体で授業を検討したり、カリキュラムを俯瞰して考えたりする必要性が少なかったわけです。 確かに、教科等間の連携といっても、高校の場合、組み合わせが膨大で、それぞれと連携していては労力もかかります。そこに、各教科を結びつける接着剤的な役割として総合が登場し、今回の改訂で、その意義が一層明確にされた。これは大きなポイントです。総合を起点に多数の教科とスムーズに連携できる機会。まずは自分の教科と総合の関係を考えることから始めてはいかがでしょうか。いるけれど、総合に関しては、各学校で独自に定めることになっているから。としたとき、それは普通、学校の教育目標とシンクロするはずですから、総合がカリキュラム・デザインの中核となってくるのは自然です。 教育目標の下で、いかに教育課程を編成するか。これがカリキュラム・の第2の1に基づき定められる目標との関連を図るものとする」。第4章とは、総合的な探究の時間について割かれた章のこと。要するに、「各学校で教育課程を編成する際、総合との関連を図りましょう。学校の教育目標とダイレクトに結びつく総合を、教育課程の中心に位置づけましょう」と宣言しているのに等しいわけです。 なぜそうなるかといえば、個別の教科は、それぞれ目標・内容が示されて ここで、先ほどからカリキュラム・デザインという言葉を使い、重視している理由を説明させてください。これまでカリキュラム・マネジメントというと「内外のリソースを活用しながらPDCAサイクルを回す」というニュアンスが強かったと思います。いわゆる3つの側面(図2)のうち、②と③の部分です。一方で、①に関してはどうか。「各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校教育目標を踏まえた教科等横断的な視点で、目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列する」とあ図1 新高等学校学習指導要領「総則」にみるカリキュラム・マネジメント第1章 総則第1款 高等学校教育の基本と教育課程の役割1~4 略 5 各学校においては,生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと,教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと,教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して,教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。第2款 教育課程の編成1 各学校の教育目標と教育課程の編成 教育課程の編成に当たっては,学校教育全体や各教科・科目等における指導を通して育成を目指す資質・能力を踏まえつつ,各学校の教育目標を明確にするとともに,教育課程の編成についての基本的な方針が家庭や地域とも共有されるよう努めるものとする。その際,第4章の第2の1に基づき定められる目標との関連を図るものとする。2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成 (1)各学校においては,生徒の発達の段階を考慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。),問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことができるよう,各教科・科目等の特質を生かし,教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする。 (2)各学校においては,生徒や学校,地域の実態及び生徒の発達の段階を考慮し,豊かな人生の実現や災害等を乗り越えて次代の社会を形成することに向けた現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を,教科等横断的な視点で育成していくことができるよう,各学校の特色を生かした教育課程の編成を図るものとする。3 以下略※下線および略表記は編集部による教育目標とのタテの関係とともに教科等間のヨコの関係も重要カリキュラム・デザインのキーとなる「単元配列表」の作成 総合的な探究の時間は、各教科を結びつける強力な接着剤カリキュラム・マネジメントの中核としての総合的な探究の時間田村 学 (國學院大學人間開発学部 教授)Interview 3272018 OCT. Vol.424

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