キャリアガイダンスVol.424
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探究をコアにした横断的なカリキュラムで主体性向上を目指す探究をカリキュラム・マネジメントでどう位置付けるか浦河高校 (北海道・道立) 北海道日高地方にある浦河高校は、2012年度に近隣の商業高校との再編統合により、普通科から生まれ変わった総合学科高校だ。周辺に高校の選択肢が少ないなか、人文科学や情報・ビジネスなど5系列を擁する同校には、多様な生徒が通う。進路は国公立大学進学から就職まで幅広い。 改編以来、同校の課題とされていたのは、産業社会と人間(産社)と総合的な学習の時間(総学)の充実だ。総学では課題研究も行っていたが、「調べ学習」に近い内容だったため、総合学科としてより効果的に機能させていく必マネジメントの視点による学校全体の改革」であることを強調する。 そのための組織変更も行われた。すべての分掌を総括する位置付けに変更されたキャリア・ガイダンス部が全体の取り組みを指揮し、教務部などと連携しながらスピード感のある改革を推進してきた。 改革の第一歩となったのは学校教育目標の見直しだ。校訓「自主」「敬愛」「努力」に基づき、改めて教育目標(目指す生徒像)と、その達成に必要な9つの資質・能力を策定(図1)。これがすべての教育活動の基盤であることを、教員全体で共有した。 総学については、目指す生徒像の実現に向けた教育課程の中核であると要があったという。キャリア・ガイダンス部長の佐藤友洋先生はこう語る。 「本校の生徒は非常に素直で純朴で、自慢の子どもたちです。しかし、現代社会で生きていくには、誰かが用意したものを受け入れるだけでなく、自ら自分の可能性を広げていくことが大切です。もっと主体的に考え行動できるようになってほしい。その実現につながるよう、産社や総学を変えていくことが不可欠でした」 同校は国立教育政策研究所「平成28年度指定教育課程研究指定校事業」の2年間の研究指定を受託。これを活用して同校が取り組んでいるのは、産社や総学を個別に見直すことではない。吉瀬献策校長は、「カリキュラム・校長吉瀬献策先生キャリア・ガイダンス部長佐藤友洋先生図1 浦河高校の校訓と学校教育目標1932年創立/総合学科/生徒数389人(男子205人・女子184人)/進路状況(2018年3月実績)大学37人・短大3人・専門学校等47人・就職43人学校データ取材・文/藤崎雅子必要な資質・能力校訓(目指す生徒像)学校教育目標❶関心・意欲・態度❷知識・技能 ❸思考力、判断力、表現力❹想像力❺協働性(対話力) ❻社会性❼達成感、満足感 ❽自己肯定感、自己有用感 ❾実行力、継続力、体力● 物事をよく見て理解し、自ら考え正しく判断するとともに、主体的・協働的に探究し行動することができる生徒。● 自他の人権や生命を敬い尊重する精神を持ち、多様性を認め合いよりよい人間関係を形成することができる生徒。● 望ましい自己実現のため不断に資質・能力の向上に努め、豊かな地域づくりに参画しようとする意欲を持つ生徒。自主敬愛努力主体的に考え行動する生徒を育むために新学習指導要領は〝探究モード〞への転換とも言われ、また、教育目標や教科横断的な学びを実現するカリキュラム・デザインの中核に「総合的な探究の時間」を位置づけるとされています。ここからは、既に取り組み始めている2校の事例をご紹介します。302018 OCT. Vol.424

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