キャリアガイダンスVol.424
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総合的な学習の時間(2単位)2年次インターンシップExpanding Time 2個人グループ組む。それぞれの基本的なプロセスは共通だが、テーマや求めるレベルは異なる(図2)。 1年次産社の一部を利用して行う「Expanding Time」では、教科に関連づけた基礎テーマを学校から提示し、それを参考に生徒が各自の研究テーマを設定して個人活動として取り組む。例えば、数学を選択して「折り紙の考え方と宇宙科学や自動車技術などとの関連」について探究するといった具合だ。 2年次前半では、3日間のインターンシップを組み込んだ探究の学習活動に個人で取り組む。「仕事と出産の両立は可能か」など、働くことにまつわるテーマを設定。インターンシップ先では仕事の体験だけでなく、働く人へのヒアリングや現場調査も行い、事前に調べて立てた仮説の検証を行う。 2年次後半の「Expanding Time 2」では、社会課題に関する探究の学習活動にグループで取り組む。今年度の2年次からは、基礎テーマにSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標を利用。「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」のような明確なゴールに基づくことで、単なる疑問の解消にとどまらず、具体的なアクションへとつなげる狙いだ。 3年次「Expanding Time 3」も同様の流れで、グループで地域(道内)の課題に取り組む。地域を支える人材の輩出につなげるという同校に期待される役割を踏まえ、2年次までは世界もの位置付けを明確化。その内容は、①課題の設定、②情報の収集、③整理・分析、④まとめ・表現という探究のプロセスを中心とし、産社も組み込んだ3年間の体系的なプログラムとして再編(図2)。16年度から全年次で一斉に実践をスタートさせた。 1年次の産社と2・3年次の総学で、生徒は4つの探究の学習活動に取り視野に入れてきた活動を、3年次であえて狭め、3年間の集大成として地域社会の課題に取り組む。活動例をあげると、あるグループは浦河町の人口減少の問題に対し、高校卒業後の町離れを食い止めるための広報戦略を検討。地域の魅力を調べて記事を作り、地域広報誌に掲載してもらうよう働きかけた。また、別のグループは、災害時の備えについて住民アンケートや町役場へのインタビューなどの調査を行い、町の避難所の課題と対策についてのレポートをまとめた。 探究の学習活動を実践するうえでの工夫について、探究の学習プロセスごとに見ていこう。 まず、最初の研究テーマの設定(課題の設定)は、同校が特に力を入れている部分だ。生徒が自らテーマ設定できるようにするには、教員の指導力が極めて重要となる。そのため、教員用の指導の手引きを作成して基本的な進め方を示したり、4月の教員研修に質問作りのワークショップ(ハテナソン)を組み込むなどしている。また、生徒があげる研究テーマは、担当教員とキャリア・ガイダンス部が二重に審査。少し調べればすぐ答えが見つかるようなテーマは、生徒に戻して再検討させる。なかには再提出を4〜5回繰り返す場合もあるが、単に突き返すだけでなく、産業社会と人間(2単位)1年次Expanding Time個人総合的な学習の時間(1単位)3年次Expanding Time 3グループ浦河の魅力発信に取り組んだ3年生のポスター。※=2年次は2018年度より、3年次は2019年度よりSDGsの17の目標を基礎テーマとする図2 3年間の探究活動の概要学年教科授業名活動【就労】就労に関するテーマを設定(インターンシップで調査・検証)【世界】基礎テーマ(※)のなかから興味関心に基づいてテーマを設定し探究● 仕事と出産の両立は可能か● 外国人と協働するには?● 障害者雇用の実態について● 基礎テーマ「資源」→「山間地域に適した発電方法について」● 基礎テーマ「観光」→「グリーンツーリズムの可能性」【教科・科目】各教科から提示されたテーマのなかから、自分の興味・関心に基づいて研究テーマを選択し探究● 数学→黄金比/三平方の定理/パズル● 社会→北海道の地誌/憲法/アイヌ民族● 家庭→日高の食/保育の仕方/アイヌの被服 【地域】基礎テーマ(※)のなかから興味関心に基づいてテーマを設定し、地域を対象として探究● 基礎テーマ「地域の資源」→「北海道の漁業の可能性について」● 基礎テーマ「地域の観光」→「浦河vs様似」(対決スタイルのガイドブック作成)研究テーマテーマ例探究を発展的に繰り返すプログラムを体系化生徒自らのテーマ設定を徹底サポート図3 活動評価票の例※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.424)探究をカリキュラム・マネジメントでどう位置付けるか浦河高校 (北海道・道立)Report 2312018 OCT. Vol.424

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