キャリアガイダンスVol.424
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講師を招いて環境や福祉などに関する講座を設けるほか、生徒も積極的に校外に出掛けてフィールドワークを行う。 こうして収集した情報の「整理・分析」には、ベン図や座標軸などの思考ツールを積極的に活用する。1年次産社の前半に論理的思考方法に関する授業を行い、他教科・科目も連携しながらさまざまな授業場面で用いるため、徐々に使いこなしていくという。 最後に活動を「まとめ・表現」する際には、外部からの評価を受けることを重視。毎年2月に学習発表会を開催するだけでなく、「IBLユースカンファレンス」や「太平洋・島サミット」など関連するイベントがあれば参加を促し、自分たちの活動が全国的・世界的にはどのような価値があるかを知る機会をもてるようにしている。 こうした探究プロセスの区切りには、ルーブリックを取り入れた活動評価票を使って生徒が自己評価に取り組む(図3)。この活動評価票によって、各ステップで何ができるようになることを目指しているか、教員も共通に理解することで、指導と評価の一体化を図っている。 同校のカリキュラム・マネジメントの特徴として、単元配列表の取り組みにも注目したい。同校の単元配列表は、必要に応じてキャリア・ガイダンス部が面談してサポートする。 「情報の収集」の段階では、インターネット検索だけで終わらせるのではなく、近隣の図書館と連携して幅広い文献を参照するよう指導。また、地域から年次ごとに全教科・科目の主体的・対話的で深い学びにつながる学習内容を月別に並べ、その中心に産社・総学を置いたものだ(図4)。 同校の産社・総学は、目指す生徒像の実現に向けた教育活動の総括地点に位置付けられるが、各教科・科目の日常の授業では意識されにくい。しかし、単元配列表があれば、各教科・科目では産社・総学の探究の学習活動につながる学習をいつどのように組み込むと効果的かが見えてくる。例えば、国語総合では産社の学習成果発表の時期に合わせて「自分の意見を書き話す」授業を実施し、一方の産社では国語総合の授業を前提として発表に向けてより効果的な指導をする。このような、カリキュラム全体で探究の学習活動の充実に向かう取り組みができるようになった。 また、単元配列表は産社・総学以外の科目間の連携の動きも大きく前進させた。例えば昨年度は、公民科と福祉科が連携し、障がい者体験を通じて共生社会を考える授業を実施した。また、英語科と商業科(情報)の協働により英文の年賀状を制作して海外の高校に送るといった、新たな連携がいくつも始まった。単元配列表は前年秋に作成するが、実際に年度が始まると、計画外の連携も行われるという。 「『しなくてはいけない』というやらされ感ではなく、『科目連携すると生徒の学びが深まる』と前向きに捉えて挑※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.424)国語総合現代社会数学ⅠA化学基礎体育保健産業社会と人間音楽Ⅰ美術Ⅰ書道Ⅰコミュ英語Ⅰ家庭基礎社会と情報LHR図4 単元配列表(2018年度・1年次の例)共生社会に関してポスターセッション【資・発】年次ごとに、全科目の主体的・協働的な授業がどの時期に実施されるか、1つの表になっている。縦の点線で繋がる項目は、科目横断の連携授業。自己理解(エゴグラム)Wordの使い方静物デッサン蒸留・同素体などの実験ポスターの制作生徒意識調査男女共修選択(器械運動)体力測定データのExcel集計【情報】共生社会【家庭・福祉】体育大会に向けて集合と命題(論理思考)体力測定データのExcel集計【体育】異文化交流・年賀状作成【情報】異文化交流・年賀状作成【英語】インターネットを利用した情報検索の方法学校祭に向けてのグループワーク音声違いを知るためのIグループ活動選挙制度(模擬選挙)意見を書く本文をもとに、意見を書く4月5月6月7月8月9月10月11月12月教科名色彩学の基礎合唱健康の保持増進と疾病の予防【調】立体凧の制作フェナキストスコープリコーダーアンサンブル精神の健康作曲活動障害者体験【家庭・福祉】(調)2次関数(手続き思考)VTS自己理解(宿泊研修)論理的思考講座ジョブリサーチ(職業観、探究初学)思考ツール論理思考科目選択探究学習学習成果発表会自分の意見を書き、話すデータの分析公民科と福祉科の連携授業障害者体験を通じ、ダイバーシティや福祉の在り方について考える。英語科と商業科の連携授業英語で年賀状を作成。今年度は1年次英語科・商業科(情報)の連携で実施予定。単元配列表を作成し 教科を横断した授業を促進322018 OCT. Vol.424

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