キャリアガイダンスVol.424
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442018 OCT. Vol.424 誌上 進路指導ケーススタディ 文理選択の迷いに、 どう向き合う?会津大学の苅間澤勇人先生に解説していただいている、さまざまな進路指導場面。今回は、文理選択がなかなか決められないでいる生徒とのやりとりです。このようなケースでのありがちなパターンを、一緒に考えていければと思います。先生方は、日頃、どのような声かけをされていますか?取材・文/清水由佳 イラスト/おおさわゆう今のー回ケス<ケースの背景・状況>2年生からの文理選択をそろそろ決める時期になってきているのだが、どちらを希望するか調査票に記入できずにいる生徒。成績は中の上。バスケット部にも入り、学校生活は楽しんでいる様子だが、将来のことが具体的に考えられていないようなので、面談に呼んだ。文理選択が迫っているが、なかなか決められない1年生先生:文理選択、なかなかできないみたいだけど、どう考えている?生徒:う~ん、なんかいまいちイメージできなくて。先生:得意教科は、数学だったよね。生徒:はあ、まあ。得意というか好きかなぁって感じですけど。先生:だったら、とりあえず理系に進んでおけば。 文系に行って後から「やっぱり理系が」というと なかなか難しいけど、文転は比較的しやすいから。第7回会津大学 文化研究センター教授 苅間澤 勇人先生かりまざわ・はやと●1986年岩手大学工学部卒業後、岩手県の公立高校教諭に。早稲田大学大学院教育学研究科後期博士課程単位修得退学。教育学、教育カウンセリング心理学を専門とする。2015年4月より現職。教科の得意・不得意でとりあえず決めるパターンありがちなやりとり1(解説&アドバイス)生徒が「自分で決めた」という納得感を大事にしましょう 本来は、文理選択に至るまでに、さまざまな情報収集や自己理解といったプロセスに時間をかけて取り組んでおくべきなのですが、1年秋の決定といった現在のスケジュールではままならないという現実がもちろんあるでしょう。それにしても、この先生は少し一面からのみの結論を急ぎすぎていると言えるでしょう。 教科の好き・嫌い、得意・不得意も、どんなことが好きで、どういう点に興味をもっているのか深めて考えるなど、生徒自身が自分を振り返られる問いかけが必要です。将来、何かにつまずいたり辛くなったときに、「熟考して自己決定した」という覚悟が、次の選択に大きな意味をもちます。また、熟考することが、学びの意欲や希望につながるという点も大切にしたいところです。まずは、生徒がこれまでの自分を振り返ってみて、どんなことが好きで、何に関心があり、どういうことだとがんばれたのかなど、改めて自分を整理する手助けから始めてもらえればと思います。【解説&アドバイス】

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