キャリアガイダンスVol.424
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452018 OCT. Vol.424(解説&アドバイス)遠い目標ではなく、今一生懸命になれることが大切です(解説&アドバイス)教え導くのではなく、生徒の価値観を一緒に探りましょう先生:文理選択、なかなかできないみたいだけど、どう考えている?生徒:う~ん、なんかいまいちイメージできなくて。先生:将来やりたい仕事はどんなことなんだ?生徒:やりたい仕事ねえ・・・。先生:人生には、目標が大事だ。まずは自分が目指すものを見つけないと。生徒:はあ・・・。先生:ネットや本などいろいろ見てみて、目標が明確になれば、 文理どっちを選ぶべきかもわかるから。 まずは将来の目標を立ててみよう、な?先生:文理選択、なかなかできないみたいだけど、どう考えている?生徒:う~ん、なんかいまいちイメージできなくて。先生:そうだな。これからの社会はいろいろと予測がつかないからな。 でも、まあ有名企業や公務員など、 ある程度安定していそうな進路を考えるのは一つだな。生徒:そのためには、文理どっちに進んだら有利なんでしょうか?先生:公務員なら法学部とかで法律関連の勉強ができたほうが有利だし、 有名企業に入るなら国立や偏差値の高い私学が有利だし。 国立に行くなら受験科目を考えると理系に進んでおくほうが有利かもな。生徒:ふ~ん、そうなんだあ。じゃあ、国立に行ける自信はないから、 法学部とかで公務員狙いで文系かなあ・・・。⇒ こんな面談にできると…先生: 文理選択、なかなかできないみたいだけど、どう考えている?生徒: う~ん、なんかいまいちイメージできなくて。先生: 夏休みに行ったオープンキャンパスではどうだった?生徒:経済学部で聞いた企業の人と商品開発する話も面白かったし、 機械工学のロボット開発の話も面白かったし。 文系も理系も、どっちも面白そうで、決められないんですよね・・・。先生:文系でも、理系でも、それぞれに魅力があったということなんだね。生徒:そうなんですよ。中学の頃は、何かモノづくりとかいいなと思って。 先生:モノづくりに興味をもったのは、何かキッカケがあるのかな?生徒:テレビの商品開発ストーリーとかドキュメントが好きで、 わくわくするんですよね。文化祭なんかで看板とかお化け屋敷とか、 みんなでワイワイ作るのも好きだし。 将来なりたいものから逆算して考えていく、そういう選択の仕方は今やあまり現実的ではなくなっています。特にAIの登場による職業の変化は予想しがたく、従来職業と直結していた学部でさえ確かなことはわからなくなっています。まして、なかなか将来をイメージできずにいる生徒にとっては、文理選択決定の直前に将来の職業を明確にしろと言われても、それは難しいことでしょう。 この先生の姿勢は、交流分析の「アダルト」が強く出すぎです(※次ページに解説あり)。アダルトは、客観的な意味合いでとらえると、とても大事な機能です。でもそれが強く出すぎると、合理的で冷たい感じがするなどのネガティブな面が出てしまうのです。また、問題は、この先生がもっている情報が少し古いという点です。  社会が大きく変化する中で、職業だけでなく大学や学部の中 まずは、今、一生懸命取り組めることは何か。小さな目の前の目標を考えてもらうことが大事です。その延長線上に、将来がつながっていく。そんな考え方で、ぜひ相談を進めてもらえればと思います。ネットや本の情報も、その生徒には今は「遠い世界の出来事」です。だからこそ、現実の「今」に目を向けさせていくことが、自分のこととして考える第一歩になると言えます。身もどんどん新しくなっています。理系・文系どちらの要素ももった「文理融合型」の学部も多くなっていますし、入試に関して単純にどっちが有利、といったことも言えなくなってきています。だからこそ、教師のもっている価値観や情報を伝えるのではなく、共に見つけていく。そんな姿勢で、生徒の考えや気持ちを引き出す「カウンセリング」を心掛けることが大切です。大きな目標を強いるパターンありがちなやりとり2価値観を押し付けるパターンありがちなやりとり31. 急がず 「振り返り」を大切にする2. 自己決定プロセスを重視する3. 生徒の価値観を 共に探る姿勢で文理選択できない生徒への対応のポイント▼詳しい解説は次ページで

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