キャリアガイダンスVol.424
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462018 OCT. Vol.424生徒が、自分で決めて、自分で進んでいけるよう共に考えていくような問いかけを面談の中でも、生徒の考えを引き出し、気付かせて、どうキャリアに結び付けていけばいいかを共に考えていく姿勢が大切になります。 そこでの関わり技法としては、オープンクエスチョンでの問いかけが基本となります。単純に「はい」「いいえ」で答えられてしまう質問をクローズドクエスチョンというのに対して、オープンクエスチョンは、本人が自由に話すことができ、考えを深める手助けになりやすい問いかけです。 例えば、「オープンキャンパスに行って参考になった?」は、「はい」「いいえ」で答えられてしまうのでクローズドクエスチョン。一方、「オープンキャンパスはどうだった?」は、自分なりに話を展開できるのでオープンクエスチョンです。カウンセリングでは、このオープンクエスチョンが基本となります。生徒が自分自身のことを振り返り、また体験したことを自分なりの言葉で再整理するためには、オープンクエスチョンで問いかけをしてください。 文理選択での関わり方は、キャリアカウンセリングを行うことと同じです。生徒自身が自己理解を深め、同時に情報収集をする中で、何に気付いてどう考えていくかを支援していく。その先に、文理選択があります。なので、 ここでのキーワードは「対話」です。教師が生徒と同じ目線、同じ歩幅になって、伴走するように「対話」する。ペースを合わせるという意味で、ペーシングと言いますが、そのような姿勢で問いかけをしていくことで、生徒は徐々に自分なりの考えや気持ちに気付いていくことができます。 文理選択では、生徒が自己理解や将来の進路の方向性の考えを深めていくことが事前準備として不可欠です。その際、ベースとなる理論として重要なものの一つに、ホランドの職業選択理論があります。世の中に普及している適性検査などの多くはこの理論を基に作られていて、その主な分類(ホランドの六角形モデル)は別表にある通りです。 ホランドはアメリカの心理学者で、「個人がある事柄を好きになったり、嫌ったり、あるいは興味をもったりもたなかったりすることは、その人の生活歴と深く関係している」という考え方から、環境との相互作用によるキャリア行動の発達を唱えました。そのため、この理論を踏まえて生徒の話を聞いていると、生徒が今現在熱中していることと職業領域との関連が推測しやすくなります。また、適性検査を基に、今までにどんな場面でその力を発揮できていたかなど、自己理解を深めるために役立てることも可能です。例えば前ページの1年生の場合、モノづくりに興味があるキッカケとして「みんなでワイワイ作る」という言葉があります。そうすると、単にモノづくりや機械系に直結しやすい「研究的(I)」や「現実的(R)」よりも、「社会的(S)」への志向が強いのではないかという推測もできるわけです。 これらの知識をしっかり得ると、適性検査なども上手に活用して、生徒の自己理解を深める支援につなげることが可能になるでしょう。苅澤生よるウセン解間先にカンリグ説オープンクエスチョンで体験を言語化していくホランドの職業選択理論から自己理解を深める支援をホランドの六角形モデルアメリカの精神科医バーンが理論化した、人格構造や対人関係でのやりとりの型を基にした心理療法。自我の中に「親(ペアレンツ)」「大人(アダルト)」「子ども(チャイルド)」の3つの型を提唱しており、その型の違いなどから対人関係の課題があることなどを分析する。「親」は自分の親がしていたような態度・考え方、「子ども」は自分が子どもの頃に体験したように感じ、振る舞うこと。「大人」は、その時々で適応的な態度や振る舞いをとる姿勢や考え方。対人場面の中で、どの自我が表れるかによって、コミュニケーションがスムーズになったり、行き違いが生じ生きづらさにつながるなど課題が生じると考えられている。>> 交流分析とは現実的(R)企業的(E)研究的(I)社会的(S)研究や調査など 芸術的(A)芸術的職業 慣習的(C)慣習的職業人に接したり、奉仕する仕事企画や組織運営、経営など機械操作やモノづくり

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