キャリアガイダンスVol.424
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まとめ/堀水潤一 撮影/内田琢麻1923年研心学園創立。2009年に男女共学化し、目白学園中学校・高校から目白研心中学校・高校に改称。同年、中学校・高校の新校舎完成。特進コース(特進文系クラス、特進理系クラス)、総合コース(英語難関クラス、文系クラス、理系クラス)、Super English Course(SEC)と多彩なコースを設置。グローバル教育、英語教育に注力。目白研心中学校・高校(東京・私立)まつした・ひでふさ1949年生まれ。東京理科大学卒業。電機メーカーで6年間、コンピュータの関発業務に従事するなか、「ものを作る仕事」から「人を育てる仕事」に興味が移り、教職を志す。75年、都内の私立中高一貫校に数学科の教諭として赴任。進路指導担当、バレーボール部顧問として奮闘。教務主任、教頭、校長として、学力・進学実績の向上に寄与したほか、男子校の魅力を内外にアピール。大病を患い、総務理事を最後に2010年3月退職。自己を見つめ直す貴重な2年間を経て、12年、目白研心中学校・高校校長に就任。学校改革を託され、赴任前に同校を17回訪れるなどしてヒアリングを重ね、中期計画から授業計画まで練り直す。その年、同じく赴任した二人の新任教頭とともに学校改革に邁進。モットーは、「夢に終わらせるな、夢を終わらせるな、夢を追え」。 共学化・校名変更後、日も浅かった本校の学校改革を託され、校長就任の話をいただいたのは2011年の暮れのこと。都内の中高一貫校に35年間勤務し、男子教育一筋だった私にとって、学校文化の違いとともに、既に60代となり、時間的な余裕のないことが不安でした。「急がずじっくり。『気付いたら変わっていた』と言われるくらいがちょうどいい」という助言もありましたが、私には時間が少なく、また、社会の急激な変化に取り残されるわけにもいきません。そのため、同じく新任の二人の教頭の力を借りつつ、現場に混乱をもたらさないぎりぎりのスピード感、いわば「じっくり」の中でも最速で動くことを決意して学校改革に臨みました。 まず手掛けたのがグローバル教育の推進です。もともと英語教育は本校の強みですが、必ずしも外部に伝わっていませんでした。その強みを整理したうえで広く発信することにしたのです。具体的には、設置が決まっていたSuper English Course(SEC)のカリキュラムを、海外大学進学を視野に入れたものとして策定。留学プログラムや海外研修、体験学習も拡充させました。 それに伴い、中学では特進、総合、SEC、高校では特進(特進文系・特進理系)、総合(英語難関・文系・理系)、SECとコースを再編。ただし、中学入学時にコース分けすることはせず、中3で第一の選択、高1で第二の選択、高2で第三の選択という、発達段階に応じた3度の選択の機会をもたせることで、自分の人生を自分の意志で切り拓く力を育てようと企図しています。 本校には幅広い学力の生徒がいますが、学校全体で考えたとき中間層の底上げが大切です。そのため基礎力の定着や学習習慣をつけることを目的として、チューターが常駐する学習支援センターを設置。外部スタッフの協力の下、基礎力定着プログラム(朝テスト、再テスト等)、ステップアッププログラム(映像講座、プリント学習等)、受験対策プログラム等を通じてボトムアップとトップアップを同時に図っています。特に、週4回以上クラブ活動がある生徒に対しては、学校内で学習を完結させるべく、18時半から20時まで優先枠を設定。自学自習の習慣をつける取り組みを行っています。 加えて、自己管理能力を高めるため、中学と高校の一部コースには「セルフマネジメントノート」を配布。日々の学習や行動を記録してもらい、毎日、担任と交換しています。こうした振り返りの活動などを通じて、グローバル社会で不可欠となるコミニケーション力、問題発見解決力、自己肯定力を磨いてほしいと思っています。 生徒数は200人以上増え、進学実績も着実に向上しています。とはいえ改革はまだ7合目。それらの実績が単なる数字ではなく、社会の変革や進歩をとらえ、生徒の将来につながる実績となるよう、努力を続けていくつもりです。学校文化の違いと残された時間の不足。二つの不安を払拭し学校改革に挑む社会で不可欠なコミニケーション力、問題発見解決力、自己肯定力を磨く松下秀房目白研心中学校・高校 校長夢に終わらせないために。自分の人生を自分で切り拓く力を6年間かけて育む472018 OCT. Vol.424

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