キャリアガイダンスVol.424
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 1・2学年の活動成果を基盤とし、3学年は課題解決型学習「地域の未来への提言」に取り組む。地域の現状を踏まえ、地元の特産品アピールや、防災意識向上、福祉や移住促進など多様なテーマを設定(図2)。数人のグループで、役場や観光協会などでヒアリングしたり、地域でのフィールドワークを行ったりしながら、解決に向けて取り組む。 例えば、昨年度、佐川茶の拡販に取り組んだグループは、茶葉の生産地の見学や、佐川茶の歴史についてのインタビューなど幅広く活動し、佐川茶紹介パンフレットの制作や、佐川茶を楽しむための佐川町の間伐材を使ったコースター作りなどを実施した。また、佐川町のブランド牛乳を地域活性に活かそうと活動する地乳(ぢちち)プロジェクト推進会議に参加したグループは、同会議の大人たちと打ち合わせを重ね、自分たちのアイデアを取り入れた、地乳を原材料とするプリンの商品化に挑戦した。 この課題解決型学習の最後のまとめとして、連携した地域の人たちも招いた発表会を開催。全グループが壇上で取り組みの成果についてプレゼンテーションを行う。 「人前で話すことが苦手な生徒も多いのですが、あえて大きな舞台を設定しています。直前までがんばり、高いハードルを乗り越えることで、生徒は大きな達成の狙いをもって取り組むインターンシップを核に、地域で働くことについて体験的に学ぶ。4町村の企業や工場、病院、福祉施設、農家、役場など28事業所と連携。事前に、働くことに関する講演会やグループ討議を行ったあと、今年度は7月に3日間のインターンシップに取り組んだ。仕事体験の合間に、職場で働く人たちの話を聞く時間も設けている。 「身近にある職場でも、その中身はなかなか見えないものです。特に、働く大人たちの話から、事業所が抱える課題を痛感したり、地域に対する思いに刺激を受けたりしているようです」(2学年主任・多田須美子先生)感を得ているようです」(堀内先生) 学年進行の展開のため、「地域の未来への提言」は昨年度が初回となったが、発表会では非常に高い評価を得た。しかし、そこまでのプロセスにおいてはまだ課題が大きいという。 「わからないところがあると教員に助けを求め、アドバイスをもらってようやく動くという生徒の姿がまだ目につきます。もっと生徒が自ら考え動くようにしていきたい」(教頭・野村健一先生) そこで、今年度はいくつかの改善に取り組んでいる。スケジュール面では、昨年度は生徒自身に考えさせる時間が少なかったという反省から、今年度はテーマ検討開始の時期を1年早め、2学年の初めに設定。その後のインターンシップにおいても地域課題を意識しながら行うよう促すなど、常に自分のテーマを頭の片隅に置き、それを随所で取り出し考えを深めていくことを目指している。特産品の拡販や防災など地域課題に取り組む失敗してもいいから生徒が自ら考え行動する図2 「地域の未来への提言」テーマ例(2017年度)図3 3年次 さくら咲くプロジェクトⅢ 自己評価の基準表図4 3年生の振り返り ~自分にどのような力が身についてきたか~ 「ぢちちプロジェクト」が開発に参加した3種類のプリン。町の観光協会などで不定期販売されている。「佐川茶を広める方法」に取り組んだグループは佐川茶の淹れ方講習にも参加。「佐川茶のおいしさを知った」との声も。〇佐川茶を広める方法〇ぢちちプロジェクト(地乳を使った商品開発)〇高齢者の笑顔フォトコレクション〇意識 ~地域への周知と事前準備の啓発活動from震災~〇移住者の気持ちを伝えよう〇若者の定住と農業の振興〇山を守る。 など● 自分たちが考えた提言が少し違うなあと思った時、どうしたらより良い提言になるかをもう一度考え直すことができたと思う。また、自分の意見を相手に伝え、相手の話を聞いたうえで解決策を提案することができた。コミュニケーション力がとても身に付いたと思うし、自ら話し合いを進めていこうと努力できたと思う。● 私は、創造力が身に付いてきたと思います。この能力は、一人では難しいけど、仲間と考えたらできると思いました。● 自分たちでアンケートを取ったり現地に行って課題を見つけ、その課題を考える力。● 課題に対して計画的に取り組み、それをわかりやすく発信する能力は付いたと思う。少しずつではあるけど、人を巻き込んで周りにも理解してもらえるような、巻き込む力も付いてきたと思う。● 自分で動いてプロジェクトを進めることができたと思った。今までは人についていくことが多かったが、今回の活動では、休みの日や放課後や空いた時間に、一人でも進められるようになった。502018 OCT. Vol.424

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