キャリアガイダンスVol.424
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思い描いている授業のあり方目指す生徒像● 物事を知ることで、他者に寄り添える幅を広げ、世界の課題に自分事で取り組む優しい人になる● 英語をはじめとするさまざまな表現手段で人と関わり、つながることを楽しんでいける● さまざまな人の考え方や価値観、さまざまなチャレンジを、受容することができる実社会にあるものとの連動過去の入試問題の長文読解などを通して、「世界のためにできる多様なアプローチの手法」を学ぶ過去の入試問題の長文読解などを通して、「世界のさまざまな課題」を学ぶ他の教育活動との連携文化祭や旅行など学校行事とリンクしたワークを英語の授業で行い、生徒の人間関係や旅先の出会いをより濃密にするクラスのHR活動も英語の授業と同じく生徒が意見を出し合い、協力して進める英語の授業・ 英文を読み、英語で話し合うことで、世界の課題やそのためにできることを知る世界とつながる・ 助け合う英語学習や、英語での意見交換を通して、人とつながり合うことを楽しむ人とつながる・ 毎授業、英語で自分の想いを同級生に語る・ 英文の論理展開の基本型を理解する基礎力をつける 「先生と出会えたから、このクラスのみんなと出会えたから、ここで良かったと思えるし、かけがえのないモノができた」 3年生の生徒の場合、夏以降に「受験の相談が減る」という変化もある。偏差値を踏まえての大学選びといった相談は影を潜め、「この国際問題を勉強したいんですが」「経済支援をやりたい」といった、まさに「進路の相談が増える」のだ。 3年間、和田先生から英語を学んだある生徒は次のような感想を寄せている。 「『勉強』を超えて生きていくうえで大事なことを教えてもらった気がします。授業が残り少なくなってきた頃、先生が言った『無知は人を傷つける。だから僕らは、学ばなくてはならない』という言葉は、今まで生きてきたなかで聞いたどんな言葉よりも心にグサッときた言葉でした。 授業で関わり合いを深めてきた生徒たちは、次第に日常でも「お互いに支え合い、高め合う関係」を志向し出すという。和田先生以外の授業でも、先生からの投げかけに即反応し、意見を出し合い、生徒同士で助け合うといったように。入学当初は癖が強くて多くの先生から心配されていた生徒が、3年生になるころには先生たちのほうから「あの子と話すのが楽しい」と言われるほど親しまれるようになったこともあった。「この学校は第一志望じゃなかった」という生徒は語る。(中略)先生に出会ってなかったら今ほど英語ができるようになっていなかっただろうし、何より『世界を変えてみたい』という思いも抱かなかった」 今年の9月より、和田先生は、英語教育の知見を深めるために、1年間、ロンドン大学に留学する。現地では、国際評価の高いケンブリッジ大学の英語教授法資格のトレーニングも受ける予定だ。体系的な指導方法や評価方法を学び、授業の質を高める教材開発にも挑み、ゆくゆくは教員の資質を引き出す「プロのTeacher Trainerの領域を日本に確立したい」という夢があるからだ。 「これからの教師には、生徒と人をつなぎ、生徒と世界をつなぐ〝コネクター〞の役割が求められると思っています。そのメソッドを自分なりに体系化し、他の先生方にも伝えられるようになりたいのです」 1年間の留学のことは、生徒たちにも夏休みに入る前に伝えた。すると数日後、和田先生は期せずしてある1年生から英語で書かれた手紙をもらったという。 その手紙の最後は、生徒のこんな想いとメッセージで締めくくられていた。 〝I want to speak English better. So, I,ll keep studying English while you are away. Let,s do our best together! I,m looking forward to seeing you cheerfully next year.〞生徒はこう変わる周囲との関係が深まり受験以上に進路を見すえる生徒とともに教師も成長一緒にべストを尽くしていく■ INTERVIEW――英語でのやり取りは入学当初からできていましたか?「最初は先生が何を言っているのか、わからなかったです」「でも何回かやっていくうちに、聞くのも話すのも当たり前になってきて、そんなに緊張しなくなりました」「最初は手をあげることも抵抗あったんですけれど、みんなが手をあげるから、自分もつられて、という感じで」「間違えても、あたたかーい雰囲気だから、大丈夫なんです」――和田先生の授業のどんなところが面白いですか?「いろいろなネタを言ってくれるから、すごく興味が湧きます」「今日のピンポントークの他にも『もし~なら』と空想の話を伝え合うゲームもあって、そういうのが面白いです」――日本語でも難しそうな課題が多いのに、楽しいのですね。「一人ではなく、みんなで一緒に同じ課題をやる感じなんです」――英語は得意でしたか?「苦手でした。今も英語が完全に得意とは言えないですけれど、コミュニケーションを取る能力はあがったように思います」間違っても大丈夫。伝え合いながらみんなで一緒に課題をやるのが楽しい。1年7組の皆さん572018 OCT. Vol.424

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