キャリアガイダンスVol.424
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中部大学は7つの学部と6つの大学院研究科を有し、春日井の丘にあるキャンパスに1万1000人を超す学生が共に学んでいます。 2017年には、現代教育学部の児童教育学科を現代教育学科に名称変更し、現代教育専攻と中等教育国語数学専攻を設置。18年には工学部に電気電子システム工学科を設置(電気システム工学科、電子情報工学科を統合)。さらに同じく工学部に宇宙航空理工学科を新設するなど教育改革を進めています。同年4月には、総合的な人間力の育成を目指し、人間力創成総合教育センターを創設。横断的で俯瞰的な視野をもつ国際人を育成するべく、4年間を通した教す。AO入試もポートフォリオもアクティブラーニングにしても形だけの導入に終わっては効果は半減。制度を取り入れるだけではなく、教育に対する意識から変えなくてはいけません。すなわち、「教授」=教え授けることや、「教育」=教え育てること、という意識からの脱却です。そのような教え方の下では、学生が教員を超えることは期待できません。教員も学生も学びの途上にある点では同じです。知識を授ける教育から、共に学ぶ教育へ。「教育」とは、「教え育てる」のではなく、「育むことを教える」くらいに解釈すべきです。育むのは、個々人がもつ才能であって、時の教育者が考える画一的な価値観ではありません。 ギリシャ神話にプロクラステスのベッドという話があります。山賊が隠れ家に旅人を泊まらせるのですが、足がベッドより長いと切断し、短ければ無理に伸ばしてしまうのです。同じようなことが教育の世界で起こってはいないか。一定の基準を設け、その枠にはめようと、才能を摘み取るようなことがあってはなりません。 中部大学では、個人の特性を見出し、伸ばすことができる。そんな教育を目指していこうと考えています。【学長プロフィール】いしはら・おさむ●1948年生まれ。横浜国立大学工学部卒業。同大学院工学研究科修士課程修了。テネシー大学大学院電気工学専攻博士課程修了。Ph.D.(テネシー大学)。テキサステック大学教授、横浜国立大学工学研究院長、工学府長、理工学部長を経て、2014年から中部大学教授。副学長を経て17年より現職。専門はプラズマ物理。【大学プロフィール】1938年名古屋第一工学校として創立。64年中部工業大学開学。84年現校名に改称。工学部、経営情報学部、国際関係学部、人文学部、応用生物学部、生命健康科学部、現代教育学部の7学部26学科。教員も学生も学びの途上。知識を授ける教育から、共に学ぶ教育へ養教育の見直しなども行っています。 大学院の体制も強化する予定です。研究と結びついてこその教育。教員が研究者として教育に関わることはもちろん、大学院学生が学部の学生を教える体制を拡充。教えることを通して自らも学ぶティーチング・アシスタント本来の機能を果たします。 私自身、最初は留学生として、その後は研究者、教育者として25年にわたり北米の大学で過ごしました。4人の子が現地で教育を受けたこともあり、日本の教育のあり方について深く考えるようになりました。日本の教育制度の優れた点を生かしつつ、もっと一人ひとりが個の特性に気付き、才能を伸ばし得る環境にしていくべきで̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/栗本剛樹中部大学学長石原 修592018 OCT. Vol.424

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