キャリアガイダンスVol.426
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い文脈で使われていました。しかし、現実はシビアです。日本と中国の経済格差はますます広がり、多くの日系企業のトップが外国人になるでしょう。 その一方、前職で研修事業やコンサルティングを行っていた時、多くの企業でグローバル人材の定義が曖昧なことに気づきました。なかには「フィリピンの事業所で活躍できる人材」のことを指している場合もあり、それは職場が海外というだけで、単なるリージョナル(地域)人材のことだとお伝えしました。真のグローバル人材とは、地球的な視野をもったうえで専門に生かすこと。よく、Think Globally Act Locallyといわれますが、この場合のLocalとは、地域だけではなく、持ち場や専門性も指していると思います。つまり、地球規模で物事を考え、自らの道を究めるとか、大局的な視点に立ったうえで足元のことにしっかり取り組むような姿勢を示しているのです。 そうした社会で必要な力として、私は7つのCをあげています(図1)。 Curiosity(好奇心)を最初にあげてで、第三極としての存在感を示す可能性を秘めていると思うのです。 VUCAワールド(前ページ参照)と言われるように、世界は不安定で曖昧模糊とした状況にあります。ヒト・モノ・カネ・情報が国の枠組みを越えてうごめくグローバリゼーションの波を止めることはできません。一昔前の国際化といえば、「インバウンド(訪日外国人旅行客)需要が増加し、外国人と接する機会が増えます」程度のゆるいるのは、すべての原動力だから。知らないものを知りたいと思う心がさまざまな経験を積ませ、未来へ続く道を自ら切り拓いていくはずです。 次のChallenge(挑戦意欲)とは、積極的なだけではなく、主体的に行動すること。誰かが始めたことに積極的に乗っかる人は多くても、自発的に何かを始める人は少ないもの。リスクを恐れず、イニシアチブを発揮し、周囲を巻き込みながら、既存の枠を破るような意欲が求められます。 Communicationが大事なのは言うまでもありませんが、日本人には苦教師が正解を教えられない時代。最後に決めるのは生徒自身これからの時代に必要な7つのC図1「コミュニケーション力やプレゼンテーション力が大切といっても、アウェイな環境で、人と異なる意見を発言するには勇気がいります。しかし、それは慣れていないから。筋トレやマラソンと同じで、経験を積むことで、苦痛だったことも自然にできるようになるはず」と、自分の経験も踏まえて語る船橋氏。曖昧で複雑なVUCAワールドで必要とされる7つのCCuriosity好奇心Challenge挑戦意欲Collaboration協働Contribution楽しみながらの貢献Characteristics特性・特色Courtesy礼儀正しさCommunicationコミュニケーション力
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