キャリアガイダンスVol.426
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なと同じことをするように管理するのではなく、「自分はこれをやりたい」という情熱を育むことを大切にしています。 私が園の先生たちに、常に考えてほしいと伝えているのが、「その言葉、行動、立ち振る舞いは子どもの育ちに貢献しているか」。先生がつまらないと思いながらやることは、子どもに響きません。自由に発想して、先生自身が得意なことや面白いと思うことをたくさん示して、ワクワク感を与えたいものです。 そのためには、幼稚園の教員としての知識やスキルに限らない、幅広いインプットが大切でしょう。地域の活動に参加したり、自然体験に出掛けたり、さまざまな実体験を通じて、社会人として豊かで引き出しの多い先生になってほしいと願っています。 そうした考えから、例えば教職員研修旅行には、あえて幼児教育と関係ない内容も取り入れており、自動車の解体工場の見学に行ったこともあります。園の外側にある社会に目を向け、さまざまな仕事の方々がどんな思いで働いているかを知り、外から幼児教育がどう見られているかを感じ、日々に活かしていきたいと思います。 私たちが子どもの育ちに関われるのは、ほんの3年間です。本園でのびのび育った子どもたちも、やがて小学校、中学校、高校へと進んでいきます。そのなかで、幼稚園時代に自分で挑戦してできたという自信や、思い切り好きなことを楽しんだ経験を忘れずに、自分の強さを信じて、可能性を存分に伸ばしていってほしいですね。 教員として子どもに接するとき、まず意識しているのは、どこまで子ども自身でできそうかを把握することです。そして、ちょっと背伸びしたらできそうなことを見つけてアプローチしています。例えば、もう少しで着替えができそうな子には、ボタンの外し方をゆっくり丁寧にやって見せるなどの手助けをします。それで自分なりに考えながらやってみて、ひとりでできた時、子どもは何ともいえない誇らしげな笑顔を見せてくれるのです。 すべて大人がやってあげたり、その子にとってまだ難しいことをやらせたりしても、子どもの自信にはつながらないでしょう。小さなことでも、「自分で挑戦してできた」という経験ができるように日々接しています。 入園時、自分に自信がなくて消極的な子も少なくありません。特に第2子以降の子は、兄姉と比べて自分はできないと思い込みがちです。しかし、小さな「できた」の積み重ねや、興味あることに出合い何度も繰り返すなかで、少しずつ自信が出てくると、ほかのことでも積極的に動くように。そんな子どもたちの成長を見ることが、この仕事の醍醐味ですね。(主任・徳野友美先生)「学校法人みんなのひろばの存在と意志」より(抜粋)図2写真下:園庭を囲うように建つ園舎/同左:職員室の引き戸を全開すると園庭と一体化。園長先生のデスクは、職員室の中ではなく子どもたちが遊ぶ園庭に向かっている。先生の心がけと実践のポイント、園内各場所や行事・イベントで育てたいことなどを含めた、全体構想図を同園教職員で共有している。幸せな未来をつくる理念その子らしさを大切に、“自ら育つ力”を発揮させることそのために大切にすること思いやりがあって、自立した子ども・地体・地頭が強い子・現場に強い人 …やるやらないを決断する人どんな子どもに育って欲しいか?“幸せな未来をつくる人を育てる”こと先生の仕事その言葉、行動、立ち振る舞いは子どもの育ちに貢献していますか?先生たちの行動基準自信がなかった子も「できた」を重ねて積極的にVOICE現場の先生に聞きました教員自身が豊かに毎日を過ごしているか152019 FEB. Vol.426

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