キャリアガイダンスVol.426
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ツール3年担任の木山美奈子先生。木山先生のクラスでは視野を広げるきっかけにしてほしいと、誰がどんな本を読んだかわかるよう一覧にして教室に掲示している。 例年、2年生の初めに地域を知るために地元の博物館を見学していた取り組みから発展させた企画。「村上の良いところを外部に向けて発信する」という目的で、地元誌の記者に取材のノウハウを教えてもらったあと、地域の店などを取材しその魅力を絵葉書の形に制作する。相互評価と文化祭での投票を行う。また、台湾への修学旅行で現地の高校生へ手渡している。なお、絵葉書作りは教科「情報」と連携している。を利用して全4回の読書レポートを書く。1学年ではA「本に親しむ、読書に親しむコース」、B「自己の進路を考えるコース」のいずれかを選ぶように、2学年ではBコース限定とした。2学年では探究のテーマと関連する本を選んでもよい。 「自分の世界を広げ、進路を考える手がかりにしてもらうのが狙いです」と2学 1学年での企業訪問から生まれた3つの課題「少子化・高齢化・地域活性化」をテーマに、7月に地元私立大学から講師を招いてゼミを開いてもらう。講義だけではなく質疑応答などを通して探究とはどのようなものか指導していただく。その後、夏休みなども使い各グループが決めたテーマで探究活動を実施。11月に3つの課題への解決策を「市への提言」としてプレゼンテーションする。 以前より行われていた「市長とのふれあいトーク」もここに組み込み、探究テーマと関連することを市長に直接質問しようと生徒に投げかけたところ、時間が足りないほど多くの質問が上がったという。※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.426) 実際に探究活動を行う生徒と日々接している木山先生(2学年)は、「実体験を通して書くことにより、書けなかった生徒が書けるようになってきています。また、市長とのトークや出前授業などどんなことでも自分たちでテーマをもって参加すると姿勢がまったく違います」と生徒たちの主体性が育っていることを実感しているそうだ。また、田島先生(1学年)も、「発言などに積極性が生まれてきました。元気のいいクラスも出てきています。部活動にも積極性が生まれ、競技人口を増やすにはという課題を与えたところ、小学生とのスポーツ交流が生まれるなど、探究活動から波及した動きも出ています」と言う。 こういった動きについて「地域の課題の先に個人の課題があります。探究活動での気づきや成果をより具体的に自分の進路に結びつけていくことが今後の課題」と言うのは伊藤先生。まずは社会の課題を自分のことと関連づけ志望理由書を書けるようにイヨボヤプランに修正を加えていきたいそうだ。そして、カリキュラム・マネジメントを取り入れ、各教科とイヨボヤプランを結びつけ学力向上も図っていきたいという。「学校と地域との間にある壁が取り払われた気がします。今後ますます〝見える化〞を進め、我々も変わらなければと考えています」生徒に変化の兆しが。各教科とも連携し進路実現へ進路指導主事伊藤 喬先生村高ゼミ(2年)「むらかみえはがき」プロジェクト(2年)イヨボヤノート1学年、2学年で1冊ずつ。文理選択なども含め、生徒が進路について考えたこと、学習したことは、各自ここに集約していく。各取り組みの事後学習として生徒が記入したあとは、担任が集めチェックして返す。「プリントのようになくすことがない。ポートフォリオとして後に見直すためには、ノートが最適です」と木山先生。イヨボヤプランの学習はすべてグループ学習。クラスを解体したりクラス内だったりしながらさまざまなグループを作り活動する。「いろいろな人と協働して解決していく」ことを重要視している。発表はポスター発表やクラス内でのパワーポイントを使った発表など、いろいろな形で行っている。村高ゼミの場合は、校内7会場で発表しながら相互評価し、評価の高かったものが3月の「村高フォーラム」での発表となる。「えはがきプロジェクト」の生徒の作品。フィールドワークは現在2年生からのスタートだが、1年生に前倒ししたいという。「まず地域を実際に自分の目で見てから探究活動をするのがよいのでは?」というのが2年間実施してみての課題だという。452019 FEB. Vol.426

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