キャリアガイダンスVol.426
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472019 FEB. Vol.426(解説&アドバイス)元気のない生徒には、未来を予測できる言葉かけを。(解説&アドバイス)生徒の「困り感」に寄り添う声かけも意識しましょう。先生: 最近受けている大学の手応えはどうだ?生徒: ・・・。あんまり。先生: なんだ、そんな元気がないようじゃ、ダメだぞ。生徒: でも、なんか、受かる気が全然しない・・・。 センター試験の結果、散々だったし。先生: そんな弱気でどうする。今、毎日どのくらい勉強しているんだ?生徒: う~ん、とりあえず机には5時間くらい向かっているけど、 なんか頭に入ってこなくて・・・。先生: そんなことじゃダメだぞ。とにかく直前ぎりぎりまで粘ることが大事だ。 やれば必ず結果に結び付くから、な。先生: 最近受けている大学の手応えはどうだ?生徒: ・・・。あんまり。先生:センター試験の結果があまりよくない感じだったんだって?生徒: はい。なんか焦っちゃって。滑り止めにしていたところも、 あんまり点数とれてる気がしない・・・。先生: そうかあ。だったら、2次募集などの情報も、 ちゃんと確認したほうがいいな。現実的なところで。生徒: はあ。やっぱり、早めに手を打ったほうがいいんですかね。先生: 浪人できるならいいんだけどね。 そのあたり、一度ご家族と話をしておいたほうがいいかもしれないな。⇒ こんな面談にできると・・・先生: 最近受けている大学の手応えはどうだ?生徒: ・・・。あんまり。先生: あんまりというのは、うまくいかなかった感じなのかな?生徒: はい。先生: そうか。それは不安だよね。ちなみに、国語は何割くらいの出来だった?生徒: う~ん、国語は結構良かったから7~8割くらいはいけたと思う。先生: 国語は良かったんだね。じゃあ、英語は?生徒: ああ~、5割くらいかな。読解が全然だめで。先生: そうか、英語の読解が苦手だったんだ。 そうすると、今後どうしたらいいと思う? せっかく励ますつもりが、お説教のようになってしまうと、生徒はますます自信をなくし不安になりかねません。特に、元気がなくなっている生徒に、「ダメ」というネガティブな言葉かけは逆効果です。「元気出さなきゃダメ」なのではなく、「どうしたら元気が出る?」と未来を意識した言葉かけをすると、生徒は前向きになっていくことができます。 そこで、今回のようにセンター試験の結果に動揺し落ち込んでい 生徒の状況を冷静に受け止めて分析し、アドバイスをしているという点ではいいのですが、やや性急な印象で「冷たい」と思われる可能性があります。また、最初に「よくない感じだったんだって?」と、悪いほうに焦点を当ててしまっていますので、生徒は不安をあおられた感じがしているはずです。 まずは、生徒の感情に配慮し、最初は「今後どうしたらいいか、不る生徒には、できていないことを指摘するのではなく、過去から現在までにできていることを認め、そこから未来に目を向けるような質問をしていくと、気持ちが前向きに切り替わっていきます。例えば、「10月は1日どのくらい勉強していた?」「センター試験の前は?」と事実を確認していき、それまでの頑張りを思い出させてあげ、「じゃあ、今後はどうしていきたい?」と未来に目を向ける問いかけを心がけましょう。安だよね」と、生徒の「困り感」に寄り添う声かけから始められるといいでしょう。そのうえで、「どうしたらいいと思う?」といったように、生徒主体を意識した質問をしていきましょう。そして、生徒の今後への思いや考えが述べられたところで、「先生に援助できることは何かな?」と問いかける。そうすると、生徒は安心してアドバイスを求めてくるでしょうし、何かあれば頼りにしようという気持ちにつながるはずです。ひたすら激励&お説教モードありがちなやりとり2不安をあおってしまうありがちなやりとり31.不安な気持ちを 受け止め、 寄り添う2.ネガティブを 強調せず、 未来へ目を向ける3.あくまでも 生徒主体で考える受験期の生徒面談のポイント▼詳しい解説は次ページで

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