キャリアガイダンスVol.426
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1951年に服飾系の1学科で始まった本学は、学問領域を広げながら改組を重ね、現在、ライフデザイン総合学科に7つのコースを設けています。以前は、一人ひとりの興味・関心にあわせて43あるユニットから自由に選択する「ユニット自由選択制」を取り入れていましたが、2017年度からは、7つのコースから1ないし2つのコースを選択する「コース自由選択制」を採用。将来を見据え、専門性をしっかり磨くことで、着実に出口につなげていきたいと考えたからです。短期大学を選ぶ学生の多くは、2年または3年間で社会人としての基礎力を身に付けることを目標にしています。その力を効果的に育成すると言われ、求人倍率も高い歯科衛生士を養成することで、社会への貢献を目指しています。専門学校ではなく、3年制の短期大学で学ぶ意味は、充実した実習先や施設・設備はもちろん、語学や一般教養、プラスアルファの専門性を磨くことができる環境の中で、技術のみならずアカデミックな視野をもった歯科衛生士が育つことです。国家資格取得を目指して学ぶ学生の姿は、既存の学科にも影響を与えるでしょう。切磋琢磨する関係になることを期待しています。 本学が就職に強いのは、一人ひとり丁寧に手をかけているため。入学直後に、キャリアサポート室の職員が新入生全員に個人面談するなど、就職に対する意識づけを行います。インターンシップにも4割もの学生が参加。就職活動が思うように進まず、心が折れることもあるでしょうが、そんなときも含め、教職員が、学生にすぐ連絡をとれる体制が整っています。職員が学生の顔と名前を把握しているのと同様、卒業生も、職員の顔と名前をよく覚えていると、企業の関係者から聞いたことがあります。小規模の学校だからこその親身な指導と、教職員と学生の近い関係。そうした風土が、本学の伝統であり、根幹を成しています。【学長プロフィール】ふくい・ようこ●1972年甲南女子短期大学家政学科卒業後、全日本空輸株式会社入社。大手前女子短期大学(現 大手前短期大学)講師、助教授を経て、2007年同教授。13年9月より現職。学校法人大手前学園理事。【短期大学プロフィール】1951年大手前女子短期大学開学。2004年大手前短期大学に改称し男女共学化。ライフデザイン総合学科に7コース(ビジネス・医療事務コース、英語・観光ビジネスコース、ファッションビジネスコース、建築・インテリアコース、心理・福祉コース、アート&Webデザインコース、スイーツ学・食文化コース)。学校法人大手前学園として、大手前大学、大手前栄養製菓学院専門学校を擁する。2020年、歯科衛生学科(仮称)を設置構想中。ライフデザイン総合学科との相乗効果を期待必要があるわけです。 再来年度からは、さらにコースの数を絞るうえ、希望者を対象に、公務員プログラム、金融経理プログラムなど3つの特別プログラムを実施する予定です。特に力を入れたいのが「編入学プログラム」。2年間かけて英語や小論文を中心に鍛えあげ、難関といわれる4年制大学への編入を後押しします。今年度から試行したところ、これまで10人前後だった編入学志望者が倍増し、期待が高まっています。 20年度には、歯科衛生学科(仮称)を設置構想中です。人生100年時代、治療歯科だけではなく、予防歯科のニーズが高まるなか、歯から健康を維持することも重要です。不足気味̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/安藤貴史大手前短期大学学長福井洋子492019 FEB. Vol.426

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