キャリアガイダンスVol.426

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創立1919年／普通科男子校／生徒数1089人／進路状況（2018年３月実績）大学進学:165人（うち、甲南大学89人、海外大学3人）、その他29人　甲南高校・中学校は、創立１００年の歴史をもつ中高一貫教育の男子校。２０１４年からは新コース制を導入し、中学から高校１年生まで理系カリキュラムで学び、科学的なものの見方と国際感覚を育成する「フロントランナー」、幅広い教養と国際人の資質を身に付ける「アドバンスト」の２コースに分かれている。 「アドバンスト・コースで高校２年からの海外留学を希望している生徒は、中学３年から『グローバル・ファウンデーション』クラスに入り、英語力を身に付けます。とはいえ、〝リスニング〞と〝スピーキング〞の習熟度には、かなり個人差がある。生徒一人ひとりのレベルに合わせた指導が一番大切なのですが、それを授業の中だけで行うのは難しい。これは、英語教育の大きな課題です」と英語科の澤武潤子先生。　この課題解決の一助となったのが、「生徒の習熟度に合わせて中学生から楽しく学べる教材はないか」と探しているときに出合った、スタディサプリENGLISHの『日常英会話コース』だという。 「『日常英会話コース』は、ストーリー性のある会話が楽しく、ゲーム感覚で学べるところがいいですね。７段階のレベルがあるので、生徒一人ひとりに合ったレベルを指定し、週７レッスンを自宅課題にしています。１レッスンはリスニング＋スピーキングで15分程度。短時間でも、毎日続けることで力が付きます。やってこなければ、月曜に居残り学習。中学生のうちは居残りも多いのですが、自学の習慣ができ、英語力が付いてくると、留学や英検など自分の目標に合わせて積極的に学ぶようになります」　こうした自学の習慣づくりには、授業でも『日常英会話コース』を活用していくことが大切と、澤武先生。 「授業で使うと、生徒同士刺激になるのでしょう。課題の提出率が上がります。そこで今は、週１回、授業で30分ほど『日常英会話コース』の時間をとっています。定期考査前は、10レッスンの範囲を指定して復習を促し、高校１年生は１００点満点中20点を『日常英会話コース』から出題。重要なセンテンスが定着しているかを確認します」　そのため、定期考査の問題はレベル別に作成するというから大変だ。 「でも、中学からレベル別学習を取り入れたことで、英語力は飛躍的に伸びました。発音が良くなり、英検２級は高校１年終了時までに56％、高校２年終了時には75％が合格。１年間の海外留学希望者も前年の倍近くに増え、自分の課題研究を、留学先で、英語で発表したいと自ら手を挙げた生徒も５人。嬉しいです。　世界の人々と英語でコミュニケーションがとれるようになり、世界の中で、自分に何ができるかを考えることができる人になってほしいと思っています」習熟度に差がある「リスニング」「スピーキング」は、レベルに合わせた個別学習で、確実に力をつける習熟度差が大きい英語のリスニングとスピーキング。生徒にどう学ばせるか課題生徒のレベルに合った学習を授業・課題・定期考査で行うことで英語力をUP活用取材・文／丸山佳子 英語４技能　 レベル別指導　 自学自習【活用キーワード】スタディサプリENGLISH『日常英会話コース』活用法● 生徒のレベルに合わせた 課題を週７レッスン実施●授業や定期考査でも活用●活用している生徒の声リクルートサービスを活用した実践事例【学習】甲南高校・中学校（兵庫・私立）英語科澤武潤子先生◀「ディクテーション」音声を聞き、単語をタイプして聞き取りの正確さを確認。リスニング力が付くだけでなく、語彙も豊富になる。リスニング◀「発音のフィードバック」発音をチェックし、アドバイスしてくれる機能で、美しい発音が身に付く。▶「なりきりスピーキング」物語の登場人物になりきってスピーキング。「『Great!』と褒められると、自信が付きます」と澤武先生。スピーキング授業では週１回、約30分、LL教室でタブレットを使って取り組む。高校１年の２学期期末考査では、レベル４（高１レベル）～レベル６（高３レベル）の問題が選択制になっている。中学３年で使い始めたときは「ディクテーション」が全然できず、10回くらい聞き直していました。「a」や「the」などの冠詞が聞き取れるようになると会話の内容も理解できるようになり、リスニングの力が上がりました。「なりきりスピーキング」は恋愛話もあって面白いし、発音の仕方もわかるので、自宅で毎日使っています。英語に慣れたおかげで英検２級に合格できました。１月は準１級に挑戦します。（橋内優輝くん。１年A組・写真右）最初は、レベル３からのスタートでしたが、今はレベル５。10回以上繰り返していた「ディクテーション」も、今は３回くらい聞けば会話が理解できるようになり、「単語クイズ」で勉強したことで、単語がすぐに出てくるようになりました。英語力が付いたことがわかるので、やる気が出ます。来年は留学もあるので、もっとがんばりたい。１月は英検２級にも挑戦します。（岩崎雅久くん。１年A組・写真左）652019 FEB. Vol.426