キャリアガイダンスVol.426 別冊
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7Vol.426 別冊付録数時間にわたって面談することも。なお、CSSもRSSも無報酬で、卒業単位とも関係ない。彼ら彼女らのこの熱意はどこから生まれるのか。 「自分自身が下級生のときに、『どうしてそこまで』というくらい先輩たちが後輩のために尽くしてくれる姿を目の当たりにしているからです。本学では、この制度に限らず、先輩・後輩の間の強いつながりが伝統的に培われてきました。先輩たちはみんな、後輩を自分以上の人材にしたいという思いを共通してもっています」 前出の小林教授の言葉にもあるように、同大学のキャリア教育は、決して就職をゴールとしたものではない。しかし、一連の取り組みの成果は、結果として数字にも表れている。リーマンショックの影響で2009年度の進路決定率は73.0%に悪化したが、2017年度は90.2%にまで改善した。  もちろん、進路決定率だけではない、人間的成長という成果もそこにはある。ピアサポートによって生まれる成長の連鎖を証明する卒業生・在学生の言葉を以下に紹介する。創価大学のキャリア教育とCSS、RSSのサポート図21年次2年次3年次4年次夢を具現化(進路の方向性を仮決定)進路の方向性を本決定(情報収集・就業体験)夢の実現に向けて準備選考試験等を受けて進路決定キャリア科目キャリアデザイン基礎※なりたい自分を考えるインターンシップなどキャリアビジョンⅠ※就職活動に必要な知識を学ぶキャリアビジョンⅡ※卒業後のキャリアデザインなどイベントDesign Your Dreams※卒業生との懇親会などBridge to the Future※1day就業体験など就活決起大会就活フェスタ学内企業説明会など■ CSSがサポートしている授業や主催しているイベント ■ RSSがサポートしている授業や主催しているイベントCSSとして塚本さんをサポートRSSとして三好さんをサポートれるピアサポートのサイクル 大学時代には、CSS、RSSの先輩たちから「道下君の夢は何?」「それはどうして?」と問われ続けることで、自分自身やキャリア、人生について掘り下げて考える習慣が身に付きました。なかでも究極の問いは「あなたが提供したい価値は何?」。この問いに対して考え抜いた答えが自分の軸になり、進路の決定にも、結果として就活の面接などでも役立ちました。 そんな経験を後輩にも伝えたいと、内定後にはRSSに手を挙げました。授業で担当したのは10人ほどで、イベントで出会った後輩や寮の後輩も含めると関わったのは20人以上です。RSSの役割は教えることではなく、聞いて、引き出して、たくさん認めてあげて、後輩自身が自分の強みややりたいことに気づく過程に寄り添うこと。後輩が「来てよかった」と思える面談にするよう、一人ひとりの進捗状況を意識して準備したことを思い出します。経済学部OB道下郷大さんRSS14期。2018年3月卒業。ANA成田エアポートサービス株式会社に就職。在学中は、大学祭の実行委員長、カナダ・アメリカでのインターンシップなどを経験。後輩自身の気づきを隣で支援するのがRSS 私は4年次に留学したので、就活を始めるのが遅く、不安が大きかったんです。そんなとき、RSSの先輩に精神面、スキル面でサポートしてもらえたからこそ、就活を乗り越えることができたんだと思います。留学の目的を掘り下げて考え、留学先を決めるときも、1年次のCSSの先輩との対話がベースにありました。そのように多くの先輩たちから受けてきた恩を、今度は自分が後輩たちに返していきたいという思いから、CSSに参加しました。 私たちCSSはコーチングのプロではないですが、後輩にとってはより身近な存在。だからこそ気づいてあげられることもありますし、お互いに触発し合い、一緒に成長していく関係なんです。もちろん「後輩のために」という思いが一番ですが、結果として、リーダーシップやコミュニケーション力などの面で自分自身も成長していることを実感しています。経済学部4年三好可愛さんCSS15期。株式会社ファーストリテイリングに内定。4年次の6月~2月にマレーシアとオーストラリアに留学。就職活動を終えた2017年の9月からCSSに。先輩から受けた恩を後輩に返していきたい卒業生4年生

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