キャリアガイダンスVol.427
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学校は社会の縮図。社会的資質・能力を伸ばす場所 絞りました。生徒心得には100も200も細かいことが書いてありますが、本当に大切なことは何か。 結果「いじめや暴力のない楽しい学校生活にしよう」「時間を守り節度ある生活をしよう」という2つだけになりました。そして、週に1度はチャイムを鳴らさない日にしました。自分たちで時計を見て時間を守るのです。学校というのは自主的な子どもを育てるといいながら、自主的に動けるための方法を示してきませんでした。「早くしろ」「チャイムがなったら席に着け」と言って動かす。逆ですよね。 修学旅行に行くのも制服で行くのが良いのか、私服で行くのが良いか、生徒会で話し合わせました。私服で行くならどういう私服で行けば良いのか、それができるためには修学旅行に行く前にはどういう生活が要求されるのか。帰ってきた君たちの、その後の学校生活はどう変化するのか。話し合ってプランを立てました。 特別活動における学習過程(図2)では、PDCAのプランの部分に注目しましょう。ただ何をする、と決めることではなく、課題の要因は何かを分析し、解決手段を策定し、さらには何をもって成功と言えるのかまで決めるのがプランです。このプロセスを他の場面にも転移できるようになれば、自己決定の質が変わります。 特別活動は「なすことによって学ぶ」といわれますが、プランを実行した後の振り返りも重要です。自分たちが決めたことは良かったのか、良くなかったのであれば何が原因なのか、もっと良くするにはどうすれば良いのか。学校行事が終わったら振り返りの時間をきちんととる。夏休みの計画を立てるのなら、夏休み後に振り返る時間もつくる。生徒が書くことも有効ですし、担任が所見を伝えることも、振り返つくることのできる状態です。 そのような集団の育成方法ですが、生徒たちに任せてみる腹づもりを持つことも一つの方法です。例えば校則でも生徒たちに決めさせる、「自分たちで決められる」という経験をさせることです。 何年も前のことになりますが、私が中学校の校長を務めたときには、生徒の話し合いによって校則を2つに特別活動における学習過程の例示図2問題の発見・確認解決方法の話し合い解決方法の決定決めたことの実践振り返り次の課題解決へ生徒たちが自分で決める何でも生徒に任せてみる決める手順を学ぶために鍵となるプランと振り返り
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