キャリアガイダンスVol.427
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各学科や部活動を代表する生徒20人が参加。議員を交え、学校の学びを活かしたまちづくりについてグループディスカッションを実施。市内のイベントの知名度アップや、年齢や障がいの有無にかかわらず誰でも楽しめるカフェの設置など、各グループから出たアイデアを共有した。 県内有数のりんご産地に位置する栃木県立矢板高校は、農林学校をルーツとする総合選択制専門高校だ。学科再編や近隣の高校との統合を経て、現在は農業経営科、機械科、電子科、栄養食物科、社会福祉科(19年度入学生より介護福祉科)の5学科を設置している。卒業後は地元で就職する者が多く、周囲からは「地域の担い手」を輩出する学校として期待されている。 そんな同校のキャリア教育のキーワードは「つながり」だ。学校と地域社会、そして異なる学科や学年のつながりにより、多彩な地域活性化に取り組んでいる。18年度は10種類以上の活動を行っており、連携先は産業界から行政、教育機関まで幅広い(図1)。 こうした活動の最大の狙いは「自己有用感の醸成」にあると、菅野光広校長は語る。 「最終的に目指しているのは、生徒に自信と誇りをもたせて社会へと送り出すことです。本校入学者には、勉強に苦手意識の強い生徒や、専門分野を学ぶ意義を見いだせていない生徒が少なくありません。そこで、地域に出て各学科の知識・スキルを使って活動することによって、自分が学んでいることが社会でどう役に立つかを確認し、自分自身が価値のある人間であることに気づくきっかけになればと考えています」自信と誇りをもって社会に出ていくために実績の積み重ねで地域連携が加速 では、同校はどのように現在の多彩な活動を行うようになったのだろうか。遡れば十数年前から、農業経営科の小学校交流授業や、栄養食物科の商品開発、自作レシピカード提供など、一部の学科において地域連携の実績はあった。ただ、学校全体の活動にはなっていなかった。 転機となったのは、15年度に矢板市社会福祉協議会から「福祉のこころ推進校」の認定を受けたことだ。同協議会と協働し、学校全体で、シニアクラブ主催の各種イベント開催のサポートや、高齢者の外出生徒の自己有用感の醸成を目指し、多彩な地域活性化の活動に取り組む矢板高校。この数年間で、一部の学科の活動が他学科へも広がり、取り組み内容も深まってきました。充実化のポイントは何か、また、生徒にはどんな効果があるか、同校の取り組みを探っていきます。取材・文/藤崎雅子先進校に学ぶキャリア教育の実践自己有用感 学んだことの社会での実践 地域連携 学科間連携 学年間連携矢板高校(栃木・県立)地域や他学科・学年とつながるプロジェクトで自己有用感を醸成し、社会で生きる力へ■市議会との意見交換会462019 MAY Vol.427

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