キャリアガイダンスVol.427
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生徒の「決められない」を どうする 今、未来社会を不安視する言葉が溢れています。一例を挙げるまでもなく、産業構造や生活風景が一変していくことは想像に難くありません。未来は予測できない…と言われますが、本当なのでしょうか。予測することでなく、未来を創造していく主体を育んでいくことが求められているのだと思います。自らに問いかけて判断すること、多様な考えや価値観に触れ、他者と意見をすり合わせながら実践&チャレンジしていくこと。たとえうまく行かなかったとしても、他責にせず、振り返りながら次につなげていくこと。それは今日の社会においても同様ではないでしょうか。生きて働くことは、意思決定と合意形成の連続。しかしながら、世界情勢や身近な社会課題に目を向けると、決して容易なことではない、そんな現実を目の当たりにします。 では、学校現場ではどのような取組が求められるのでしょうか? 文化祭におけるクラス企画の決定、修学旅行の自由行動の過ごし方、文理選択や科目選択、そして進路選択など。個人の意思決定や集団活動を通じた合意形成を求められる場面は少なくありません。一方で、進路指導の場面において、生徒の「進路選択・決定能力の不足」という課題が浮き彫りになっています。生徒自身の問題の他にも、さまざまな要因が考えられるのではないでしょうか。 変化の激しいこれからの社会を生き抜いていく生徒だからこそ、「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」の3つの視点を掲げ、なすことによって学ぶ「特別活動」が要となり、これからのキャリアの基盤になってくると思います。新年度より先行実施が始まった特別活動の取組について、本特集が考える機会になれば幸いです。山下真司(本誌編集長)62019 MAY Vol.427

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