キャリアガイダンスVol.427
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―さっそくですが、生徒の「決められない」現状と背景について、現場で感じていることをお聞かせください。黒瀬 この座談会に参加するにあたり、起業家の方にヒアリングしたんです。今の高校生が「決められない」としたら、それはなぜか、教育現場以外の人の話を聞きたくて。そうしたら二つの答えが返ってきました。一つは、「職業に対するイメージが狭すぎて選択肢がないからでは」と。確かに、うちの生徒はクラブ活動や宿題など目の前のことでいっぱいで、将来のことを考えたり、調べたりする余裕があまりありません。そういう私自身、民間で働いた経験もなく、職業理解が低いことは自覚していますが。宮永 本校でも、付属の中学校から職業調査や課題研究をしていますが、それだけで実際の仕事のイメージが湧くわけではないですからね。まだ、記憶してよい点数を取ることが優先で好きなテーマを自ら決めて研究することに踏み出せていないと感じます。林 教師や医師や看護師など、なじみのある職業に興味がある生徒は、進路を決めるのも早いですが、そうでなぜ決められない?学校・教師は何ができる?座談会特集の最初に登場いただくのは、深い生徒理解や問題意識をおもちの4人の先生方。日々生徒と接するなかで感じている、高校生の「決められない」実態や課題感、その背景や要因と思われること。そして、今、学校や教師ができることは何かについて、自由にお話しいただきました。取材・まとめ/堀水潤一 撮影/西山俊哉成田高校宮永 厚先生広島観音高校黒瀬直美先生専修大学附属高校杉山比呂之先生高知追手前高校林 格先生※先生の所属等は、取材当時のもの「決められない」のはなぜか?テーマ1【座談会】なぜ決められない?学校・教師は何ができる?72019 MAY Vol.427

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