キャリアガイダンスVol.427 別冊
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6Vol.427 別冊付録9週目にアイデアのポスター発表。他チームの意見も聞いて改善する予選・本選を行い、優勝チームを決定。企業からは鋭い質問も飛ぶ最後の2週間でお互いにフィードバックを行い、それぞれのリーダーシップを見つめ直すすれば誰にでも発揮できるスキル(=権限なきリーダーシップ)と位置づけている。それが意味するのは、チームの目標を達成するために、コミュニケーションを通して人を動かす力だ。 その基礎となるのが、図2に示したリーダーシップ最小3要素。 「リーダーシップを養うため、最低限これだけは身につけてほしいと私たちが考えているのが、『目標共有』『率先垂範』『同僚支援』の3つです。これらは理屈を知るだけでは意味がありません。実際にこれらを意識してリーダーシップを発揮することが大切。ですから、レクチャーはほどほどに、まずやってみて、トライ&エラーを繰り返して学ぶことを重視しています」 学びの過程で重要になるのがメンバー相互のフィードバック。振り返りの機会などに、チームのメンバー同士がグループワークでのお互いの態度や行動について指摘し合う。 「ただし、単なる印象で『あなたのここがダメだ!』と言い合ったら、険悪になりかねません。目的は批判ではなく、相手によりよくなってもらうこと。そのためのポイントがSBIフィードバックです。どんな状況で(Situation)、相手のどんな行動が(Behavior)、自分にどんなインパクトを与えたか(Impact)を事実ベースで話す。そうすると、相手も意見を受け入れやすくなり、それが“気づき”につながります」 例えば、一人でチームをグイグイ引っ張り、「自分にはリーダーシップがある」と思い込んでいたリーダーが、メンバーからのフィードバックによって、実は目標共有も同僚支援もできていなかったことに気づくことがある。このような気づきを幾度も重ねることで、各自がその時点で「自分にできていること、できていないこと」を認識し、それを踏まえて、次のコミュニケーションでは修正した方法を試す。この繰り返しによって、それぞれのリーダーシップが醸成されていく。 「チームは学部・学年・性格ができるだけバラバラになるよう構成します。ですから、チーム内で全員に同じコミュニケーションをしても、同じように理解し、動いてくれるとは限りません。多様性のあるチームを動かすリーダーシップには、原則はあっても、決まった型はないんです。『こういう場面ではどうし立教大学が定義する「リーダーシップ最小3要素」●企業が提示する課題に取り組む「GL101」ダイジェスト図2GL101と同じ内容をすべて英語で実施する科目。英語のみで学ぶグローバル・リベラルアーツ・プログラムの学生や海外からの留学生と一緒に学ぶ。必要な英語力の目安はTOEIC®L&R700点以上。リーダーシップ入門科目。企業から出された課題に対してチームで解決策を考え、提案する形式のPBL(Project Based Learning)科目。まずはここからスタートする学生が多い。チームの目標を設定したら、メンバー全員でしっかりと共有。プロジェクトの過程でも常に意識させる。人に指示をして「やらせる」のではなく、自分自身でまず行動することでメンバーに影響を与える。多様なメンバーの一人ひとりが力を発揮できるよう、壁や障害を取り除いて環境を整え、サポートする。チームで成果を出すためには、メンバーそれぞれがリーダーシップを発揮することが求められる。この科目では、学習理論などの知識も学びながら、実践形式で「他者のリーダーシップ開発」に取り組む。グローバル リーダーシップ プログラム(立教GLP)の科目=日本語科目=英語科目課題を分析し、解決策を検討する教室内でポスター発表し、企画をブラッシュアップ企業へのプレゼンで企画を競い合うチームと個人をそれぞれ振り返る企業から出された課題をチームで分析し、解決案の意見を出し合う目標共有率先垂範同僚支援

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