キャリアガイダンスVol.428
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創意工夫されたものでもどちらでもいい。事前・事後指導は特別活動以外の教科や総合的な探究の時間(以下、総合)でも構わず、1学年から3学年までの長期で捉えることとしている。 先生たちは架空の生徒たちを想像しながらも、各々の自校の生徒と照らし合わせたり、自校で取り組んでいる教育目標の立て方や学校行事について共有しながら、話し合いを進めていた。行事を考えるケースのため、自校では実現できていないが温めていたアイデアを出す先生もいた。行事ありきで考えると、資質・能力に結びつかなかったり、資質・能力の言葉が抽象的で具体的な活動に落とし込みにくかったりと、ワークシート上を行ったり来たりしながら、50分間で全体計画を作成し終えた。全校生徒を対象とした「全体目標」を立てる学校で設定している校訓などは抽象度が高いため、どんな生徒に育ってほしいかを生徒の強み・弱みを踏まえて具体的な言葉にしていく。中心となる特別活動と、事前・事後の指導の流れを作成身に付けさせたい力を育むための軸となる活動を、2年生の学校行事で実施する仮定で設計。9ページの図4のポイントに留意して事前・事後指導の単元も設定する。 事前・事後指導が、中心的な学校行事の下請けになっていないか? 事前・事後指導がどの教科や活動の、どんな単元・題材で何時間かけるか具体的になっているか?「3年間での長期の目標を具体的なワードにするのは結構難しい。先に2年生で身に付けさせたい力から考えた方がわかりやすいかも」「生徒の成長を家庭や地域も評価できるよう、地域を巻き込んだわくわくするプロジェクトにしよう!」「行事の面白さに引っ張られすぎないように、特別活動の目標や資質・能力とすり合わせながら考えよう」「うちの学校でも職員会議で話し合って七つのチカラを設定したが、個々の授業に反映するのは簡単ではないですね」「特別活動で成功体験を積ませて自己肯定感を育んであげたいね」対象学年で身に付けさせたい具体的な「資質・能力」の設定設定した生徒の課題を解決するために学習指導要領や解説を参考に、2年生の特別活動で身に付けさせたい力を、9ページの図2・3に沿う内容で、自校の生徒に向けて具体化する。 身に付けさせたい力は、特別活動の三つの視点と合致しているか? 身に付けさせたい力は「資質・能力」の三本柱に当てはまるか?の前の生徒を見取り、育みたい資質・能力はどんな力かについて、まずは学年団で対話することから始めてみてはどうでしょう。学校行事は前年度踏襲が多いのが実情ではないでしょうか。その場合も、既存の行事を資質・能力の視点で捉え直せば、同じ行事でもまったく違って見えてくるかもしれません。また、キャリア教育として生かすことができるかもしれません。文化祭や体育祭は大人になっても楽しい思い出として記憶に残っていますが、資質・能力を追わずに行事を実施すると、その後の人生につながっているかは疑問です。楽しい思い出に留まらない学びにするために、目の前の生徒たちの姿をよく見ましょう。自校で全体計画を作るときは目長田先生からのアドバイス育成したい資質・能力の視点で「特別活動」を捉え直す学びをつなぎ、未来へつなぐ 「特別活動」誌上研修会112019 JUL. Vol.428
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