キャリアガイダンスVol.428
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いと語るのが、9ページや図4で示したように、事前・事後指導として行うHR活動や教科・科目、総合が行事の下請けにならないようにすることだ。 「体験活動を安全に行う直前の学習や、成果を共有する直後の学習も必要ですが、資質・能力につながらないのはもったいない。HR活動の時間は単なる行事の準備や片付けの時間にしてはなりません。HR活動の内容項目をよく見ていただき(8ページ・図1)、むしろ特別活動全体の基盤はHR活動にあるという捉え方をしてほしいです」 次ページから、HR活動の重要性について解説し、各班が事前・事後指導として設定したHR活動の指導案作成(ステップ3)を、沖縄の先生たちに実践してもらった様子をレポートする。資質・能力や事前・事後指導の題材が具体的に明記されているB班は、身に付けさせたい資質・能力を「~できる」「~しようとする」など具体化していたので、生徒と共有しやすくなっています。また、教科で実施する事前・事後指導の題材も具体的だったのもよかったと思います。A班は、設定した行事を通して生徒たちが自己評価する評価方法も年間指導計画にちゃんといれていましたね。また、事前・事後指導の複数のHR活動が、12内容項目(8ページ・図1)のどれに当てはまるかを明記していたのもよかったです。活動を評価するところまでを年間指導計画に盛り込んでいる「生徒に身に付けさせたい資質・能力は普段は高校3年間で考えるので、2年生という中間地点で考えるのが大変でした」「身に付けさせたい力を抽象的な表現から具体化していくときに、もれてしまうニュアンスがあり、もらさないようにすると膨大になるため、取捨選択が大事ですね」「計画した行事と教科とのつながりが重要なポイントなので、もっと時間をかけて詰めて考えたかったです」「地域の子どもたちへの学習支援」を計画したA班の先生たちの感想「事前・事後指導の組み合わせが大変と想像していましたが、身に付けさせたい力を具体化していくことに最も時間がかかりました」「身に付けさせたい力を何度も練り直したつもりでしたが、行事の内容を詰めるうちに、そちらを重視してしまい、本当に資質・能力とつながっていたかが不安でした」「教科では資質・能力は普段一人で考えますが、みんなで本音で話し合いながら考えたのがよかったので、自校でも学年会などでできるといいと思いました」「商店街でのリアルインターンシップ」を計画したB班の先生たちの感想縦軸の項目は自由に設定横軸に4月から3月までの月名を入れ、縦軸は自由に設定。全体計画で立てた中心的な行事と事前・事後指導が網羅できればよい。「学校行事が中心となるのでそれを真ん中に。関連する事前・事後指導には、HR活動と教科・科目、総合があるけど、生徒会はどうしよう?」完成した年間指導計画を振り返る在計画している特別活動をゼロリセットする必要はなく、今まで継承してきた学校行事などは宝です。それらを捉え直して、HR活動を中核に教科・科目等を越えて、意味付けしていくことから始めてみましょう。 また、事前・事後指導も本来は特別活動のために行うのではなく、既に教科や総合でやっていることを資質・能力の切り口で特別活動と紐づけて、つなげていけばよいと思います。そのために今回の研修のように教科横断で教員が集まって、年間指導計画を作る機会をもつとよいのではないでしょうか。自校で年間指導計画を作るときは現長田先生からのアドバイス育成したい資質・能力の視点で「特別活動」を捉え直す学びをつなぎ、未来へつなぐ 「特別活動」誌上研修会132019 JUL. Vol.428
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