キャリアガイダンスVol.428

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大事。教員の指図ではなく、生徒が本当に自分たちで合意形成や意思決定をする、それがまさに実践への意欲付けになるんですよ。もちろん、一定の期間をおいて実際に実践できたか振り返りをさせることも重要です」　指導案を作成したら、ポイントだけでも模擬授業をし、振り返りまで行いたい。研修会では、その過程で生徒への配慮不足に気づいたり、特別活動の可能性を実感したりすることができ、またとない機会となった。活動は、優れた指導案さえあればうまくいく、というものではありません。年度や学年あるいはクラスが違えば、生徒の実態は異なります。前年度と同じ活動をするにしても、前年度踏襲ではなく、今回の研修のように、生徒をしっかりと見取るところから始め、その生徒にどんな資質・能力を育みたいか、そのためにベストな授業展開は何か考えてほしいと思います。　展開を考えるときは、ピラミッドチャートやワールドカフェのように、生徒の思考や対話を促すツールを教員がたくさんもち、実践経験も積むほど、目の前の生徒に合った授業を組み立てていけるでしょう。指導案に基づいて模擬授業をして振り返ってみる指導案を基に模擬授業をして意見交換する誌上研修会自校でHR活動の指導案を作るときはHR長田先生からのアドバイス「指導案づくりのワークシートでは、生徒の動きを想像して授業展開を考えるべきだけど、展開をなぞるだけの授業になると生徒に響かない。より大事なのは指導のねらいで、HR活動でどんな資質・能力を育むのか、その目標を見失わず、状況に応じた授業を行いたいと思いました」「生徒が合意形成や意思決定をしていけるよう、支援するツールを教員がもっておく必要性を感じました。話の時系列を気にすることや、逆算して時間配分を考えることなど、大人が何気なくしていることをもっと言語化して示すことに加え、さまざまな思考ツールを私たちも学んでいきたいです」「HR活動１時間だけで合意形成できるかな、と思ったのですが、４月から各教科の授業でも話合い活動を行い、思考や議論をする手立ても示していけば、この時期には生徒の成長が見込める、と思い直しました。年間を通して計画的に資質・能力を育む大切さを感じました」「現実の政治も合意形成や意思決定に苦戦していることを思うと、HR活動は主権者教育――自分の考えをもって他者と協働しながら社会を形成していく力を育むことにも通じると感じました。HR活動に本気で取り組むことが、社会を変えることにつながるのだと思います」グループごとに振り返り、全体でシェアした際の先生たちの感想指導案と模擬授業を振り返る行事（商店街でのリアルインターンシップ）に向けて合意形成を図るHR活動行事（地域の子どもたちへの学習支援）のあとで自己の目標の意思決定をするHR活動自分の得手不得手を見つけ、役割を考えよう→HR活動の12内容項目の（１）イ題 材①小集団での話合い活動（得意なものが近い人同士で）②小集団での話合い活動（得意なものが違う人同士で）③クラス全体での話合い活動を経て合意形成展開商店街で、クラスで何をやるか本時の議題振り返り後、話し合った内容掲示、実践への意欲付けまとめ司会の生徒より今日の話合いの流れの説明導入なりたい大人になるために→HR活動の12内容項目の（２）ア題 材①個人による自己評価→ペアで共有②小集団での話合い活動で相互評価　（行事の来校者アンケートも活用）③個人による意思決定（成長と足りない部分を内省）展開前期を振り返って（やる気スイッチを押そう）本時の題材次の行事や学校生活でがんばることを、生徒が宣言まとめ写真で振り返り（４月から自分はどのように成長した？）導入事例事例「話し合おうと促すだけでは、生徒が戸惑うこともありそうです。生徒の話合いが進まないときはどう支援しますか？」Q「まずはビブリオバトルのように各自が得意なものを宣言してから、やりたいことを付箋に書き出すイメージでした」A「小集団での話合い活動はワールドカフェもよいかもしれません。ここで大事なことは、クラス全体での話合い活動。安易な多数決にならないよう互いのよさや可能性を生かし合う話合いに導きたいものです」「直近の中心的な学校行事から振り返るのではなく、4月から上半期全部を振り返ることにしたのはなぜですか？」Q「これまでの行事につながりをもたせ、年間を通してがんばる目標がある、という意識づけをしたいと考えました」A「直近と上半期どちらを振り返る場合もありえて、そこはまさに生徒の実態をどう捉え、何を目指すかで変わるんですよ」育成したい資質・能力の視点で「特別活動」を捉え直す学びをつなぎ、未来へつなぐ 「特別活動」誌上研修会172019 JUL. Vol.428