キャリアガイダンスVol.428
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 今回の誌上研修もそうですが、特別活動に関する研修や講演の際、私が必ずお伝えしていることがあります。それは、特別活動は、先生方にとって水や空気のような存在であるということ。意識せずとも、すべての学校で行われている、特別ではない活動です。どんなに準備が大変でも文化祭などの「学校行事」を不必要と思う先生はいないでしょう。「生徒会活動」や「ホームルーム活動」(以下HR活動)も同様だと思います。このような国は他にはありません。礼儀や身の回りのことができて初めて読み書きを教えていた寺子屋を源流に、長い時間をかけて定着し、海外からは「TOKKATSU」として注目を浴びている教育活動なのです。 ただし、水や空気のような存在だからこそ気を付けてほしいことがあります。それは、単に生徒が「感動した」「楽しかった」と思うことをゴールにしていないか。あるいは、行事等をやること自体が目的となり、なぜそれをするのかという目標を見失っていないかということ。毎年、生徒の実態も変わるのに、前年度踏襲でうまくいくわけがありません。これからの高校教育のなかで、特別活動が果たす役割巻頭から11ページにわたって展開した特別活動に関する誌上研修会はいかがでしたでしょうか。ここで改めて、講師を務めていただいた文部科学省の長田 徹先生に、特別活動の意義と、これからの高校教育のなかで果たす役割について、学習指導要領をひもときながら解説していただきました。文部科学省/国立教育政策研究所長田 徹おさだ・とおる●石巻市立雄勝中学校社会科教諭、仙台市教育委員会指導主事などを経て、2011年5月から文部科学省。現在、初等中等教育局 教育課程課 教科調査官、同児童生徒課 生徒指導調査官。国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター 総括研究官、同教育課程研究センター 教育課程調査官を併任。大切なのは目の前の子供たちを見ること取材・文/堀水潤一 撮影/平山 諭182019 JUL. Vol.428

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