キャリアガイダンスVol.428
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普通科と表現科を設置する八戸東高校は、100年以上の歴史をもつ進学校だ。高校卒業後の進路実現だけでなく、より長期的な視点に立った人材育成の必要から、7年前より、社会で生きるための力を育むキャリア教育を学校経営の核に据えている。 同校では、学校の教育理念に基づいて、キャリア教育目標と育てたい能力を設定。そこから、学年目標、そして「総合」「特活」「教科」の各活動へとブレイクダウンし、あらゆる活動をキャリア教育として実施している(図1)。その内容は、生徒の実態を踏まえて毎年見直してきた。 「昨年度の生徒のポートフォリオ記入内容に見られた『経験で得たことを次の課題設定に結びつける力が弱い』という課題感から、今年度は目標も見直し、『主体的に課題解決に取り組み、将来設計ができる八東生の育成』としました」(高坂 智教頭) 全体計画の中で特に大切にしている進路指導主事田島博文先生3学年主任熊谷 透先生教頭高坂 智先生キャリア教育目標、育む力をすべての活動にブレイクダウンキャリア教育の全体計画(2019年度)図1校内における連携/家庭・地域との連携/小・中・高・大の連携/企業等との連携教科等*特別活動等 ※表中のA~は育てたい能力に対応総合的な学習・探究の時間(八東タイム)*1学年の目標1学期2学期3学期2学年の目標3学年の目標学校の教育理念(校訓・教育目標)キャリア教育目標主体的に課題解決に取り組み、将来設計ができる八東生の育成関連する法令等取材・文/藤崎雅子1901年開校/普通科・表現科 生徒数678人(男子256人・女子422人)進路状況(2019年3月卒業生)大学158人・短大11人・専修学校/各種学校37人・就職7人・その他8人学校データ・主体的な学習態度 A・B・社会参画意識の醸成 A・C・生命の尊重 A・B・青年期の課題の解決 A・B・学習支援ボランティア A・B・C・D・体験学習 A・B・C・D・遠足 A・C・組織づくりと役割の自覚 A・B・集団生活の向上 A・B・文化祭 A・C・体育祭・球技大会 A・C・諸問題の解決 A・C・主体的な将来設計 B・C・D育てたい能力社会人基礎力人間関係形成・社会形成能力 基礎的・汎用的能力自己理解・自己管理能力課題対応能力キャリアプランニング能力・他者の個性を理解する力・他者に働きかける力・コミュニケーションスキル・チームワーク・リーダーシップ・1.5往復の質問力・自己の役割の理解・前向きに考える力・自己の動機づけ・忍耐力・ストレスマネジメント・主体的行動・情報の理解・選択・処理・本質の理解・原因の追究・課題発見・計画立案・実行力・評価・改善・学ぶこと・働くことの 意義や理解・多様性の理解・将来設計・選択・行動と改善・教訓からの課題発見ABCD・人間関係の形成 A・B・国際理解 A・B・D・男女相互の理解 A・C・生命の尊重 A・C・社会参画意識の醸成 B・C・学習支援ボランティア A・B・C・D・体験学習 A・B・C・D・修学旅行 A・B・C・D・諸問題の解決 A・C・青年期の課題の解決 A・B・生命の尊重 A・C・社会参画意識の醸成 C・D・社会的自立の意義の理解 C・D・学習支援ボランティア A・B・C・D・遠足 A・C・組織づくりと役割の自覚 A・B・集団生活の向上 A・C・文化祭 A・B・C・体育祭・球技大会 A・C・組織づくりと役割の自覚 A・B・集団生活の向上 A・C・文化祭 A・B・C・体育祭・球技大会 A・B・C・主体的な学習態度 B・C・主体的な将来設計 B・C・D・主体的な将来設計 B・C・D学校の資料を基に編集部にて作成実物はダウンロードでご覧いただけますキャリア教育の実態と今後の方向性前年度の生徒の状況から*「総合」と「教科等」の具体的な内容は省略八戸東高校(青森・県立)特活で培った自己理解や人間関係を土台にあらゆる教育活動を通じて主体性を育むキャリア教育全体計画の中で特別活動をデザイン262019 JUL. Vol.428
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