キャリアガイダンスVol.428
34/66

東北大学名誉教授菊池武剋きくち・たけかつ●東北大学文学部卒業。東北大学教育学部教授、同大学院教育学研究科教授、同研究科長・学部長を経て2009年退職。14年宮城教育大学監事、15年東北大学名誉教授。日本キャリア教育学会会長(2008~12年)。専門は発達心理学、キャリア教育。キャリア教育の要としての「特別活動」これからのキャリア教育を考えるうえで、要と位置付けられた特別活動をどうとらえていけばよいのか。「一人一人のキャリア形成と自己実現」に向けて、特別活動はどのような役割を担うのか。日本キャリア教育学会の会長職も務めた東北大学名誉教授の菊池武剋氏に伺いました。 キャリア教育とは何でしょうか。どこでするものなのでしょうか。 こうした現場の声に対して、どう取り組んでもらえるか試行錯誤してきたのがキャリア教育の歴史であり、私自身の研究の軌跡でもあります。 戦後の「職業指導」から「進路指導」を経て、1999年、中教審答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」においてキャリア教育が提唱されてから20年が経っています。 2011年の答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」で、キャリアについて「人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見出していく連なりや積み重ね」と定義されました。 紆余曲折はありましたが、そうやってキャリア教育の理念は、少しずつ学校現場に浸透していったのです。少なくとも今、「キャリア教育って何?」とは聞かれなくなりました。 ただ、いまなお狭義の意味での「進路指導」と混同されているとか、指導場面が曖昧になっているという指摘があるのは事実です。 そうしたなか、2018年に告示さ紆余曲折を経て浸透してきたキャリア教育の理念と課題取材・文/堀水潤一 撮影/平山 諭342019 JUL. Vol.428

元のページ  ../index.html#34

このブックを見る