キャリアガイダンスVol.428
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【学校教育目標】「校訓『孝・恩・徳』を体現し、夢に邁進する情熱を胸に、他者を助け、国際社会への貢献を己の人生の喜びとする『真のリーダー』を養い育てる」探究授業(AL)自尊感情・ 自分にしかできない (自分だからこそできる) ことがあると思う・ 自分の力を生かして 他者や社会に貢献しようと思う知識を活用する力・ 課題発見力・ 協働して課題解決に向かう力・ 粘り強く考える力・ 新たな価値を生み出す力学びを楽しむ心・ 未知への好奇心・ もっと学びたいという知識欲・ 知の広さや深さへの感動学びの自分ごと化学びの本質を探究し、自分にとっての価値を発見する。表現する力・ プレゼンテーション力・ 日本語4技能・ 英語4技能・ デザインする力・ 他者を思いやる視点課題探究(総合)自分探究(進路)SS探究(土曜塾)2005年開校/普通科生徒数292人(男子140人・女子152人)※高校のみ進路状況(2019年3月卒業生)大学73人・短大1人専門学校1人・その他31人富山県富山市東黒牧10  TEL076-483-8500 https://www.katayamagakuen.jp/北陸3県で展開する大手学習塾「富山育英センター」を母体とする学校法人片山学園が、「孝・恩・徳」を校訓とし、「全人教育」を掲げて2005年に中学校、08年に高校を開校した中高一貫校。高校1学年全員による英国研修を行うなど国際交流が活発。高い大学合格実績をあげるなか、16年度より授業を軸とした学校改革を推進中。同校敷地内に学生寮を設置して遠方の生徒のための環境整備を行っており、約100人が利用している。な解がある」「知識の意義・価値がわかる」と特徴づけて共有し、ICEモデルを活用してレベルの違いを整理。正解のない課題に対して協働して最適解を導く思考力を一層重視した、課題探究型授業を進めている。 授業での学び方とともに、16年度より評価方法も変えた。 定期考査には、従来からの知識・技能を 「大切なのは生徒が主役になること。上手な講義で満足感を得るのは教員ですが、生徒が自ら考えてわかるという満足感を味わえるよう、先生方に『おいしいところを生徒に返そう』と呼びかけました」(森内教頭) こうした1年目の実践から「主体的、対話的」の感覚は掴み始めたが、「深い学び」についてはなかなか答えが出ない。 「各教科で身につけたいのは、テストで点数を取るという表面的なものではなく、生徒の生涯にわたって血肉となって生きる本質的な力です。それはどのような力なのか、教科ごとに考える必要がありました」(森内教頭) そこで、改革2年目となる17年度は、教員個々のAL型授業の拡充を図るとともに、教科の学びの本質について各教科部会で議論。年度末までに「片山学園の〇〇科が目指す深い学び」として明文化した。 翌18年度に検討したのは、その本質的な力を授業でどう効果的に育むか。良質な問い(課題)により生徒の思考が活発化するという体感から、「課題探究型授業」への挑戦を始めた。ブルーム・タキソノミーをヒントとした課題のレベルの違いを踏まえ、知識だけではなく、創造的思考力が必要となる課題の作成に、初年度は中1・高1を対象に教科一丸で取り組んだ(図2)。その難易度は高く、暗礁に乗り上げた案がいくつもあるという。 そして今年度、目指す課題について「自分と結びつく(当事者として考える)」「すぐには解決できず思考を促す内容・多様ペーパーテストでは測れない資質・能力を評価図1 「4つの探究」で育む資質・能力452019 JUL. Vol.428

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