キャリアガイダンスVol.428
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ること。自分が何をしたいのか、世の中をどう変えたいのか。「どうしたいの?」「何のために?」という生徒同士の対話を3カ月間繰り返すことから始めている。「世の中は答えのない問いばかりです。例えば地域医療というテーマでも、何が問題なのか、何に着目したのか、自分の言葉で問いにしよう、と生徒に伝えました」。 前述のリアル脱出ゲームを企画した生徒は「最初は地域活性イベントをしたい!だけでした。でも、何のため?と島の人たちにも、何度も聞かれました。今のコンセプトは、縦のつながり作り。年齢を超えた交流が五島を明る1898年創立/普通科普通コース・スポーツコース、衛生看護科/生徒数498人(男子224人、女子274人)/進路状況(2018年度)大学短大116人、専門学校11人、就職3人、その他3人くする、それが僕たちの目指す『活性化』です」と言う。 2年生の授業の時間も基本的には発表や対話の繰り返し(左図)。約20時間の授業中に行うのはチームでの相談、振り返り、中間発表などで、実践活動はすべて課外で行う。いつまでに何をやらなければいけないのか、ホームルームで担任から声かけすることで全体を前に進めている。 地域との関わりが深くなってから、同校には大学や地元諸団体が主催するイベントへの誘いが舞い込むようになった。こうした学校外での学びの機会は「バラモンプラス」として、生徒に参加を呼びかけている(左図下)。 武家屋敷の清掃活動をした生徒は、この場の活用方法はないかと問われ、先輩の開発した五島ピザを売るプロジェクトを立ち上げた。活動を支えるのは「地域の人とつながる、しゃべれるのがむっちゃ楽しい」「別のワークショップでピザの話をしたら『絶対売れるよ』って言われてすごく嬉しかった」といった喜びや達成感。一度やったら終わりではなく、観光客用のパンフレットを企画するなど次の一手を考え続けている。 「地域の大人とつながると、生徒は勝手に走り始めます」と言うのは五島出身の辻 忠先生。担当する今年の1年生は、講演を「五島に熱い地域の人」にインタビューし、冊子にまとめる「ばらかもんプロジェクト」に変更した。「ばらかもん」「バラモン」とは五島の言葉で元気、活発な人を意味する。生徒を学校に縛りつけずアクションを促す、活動をすると問いが深まり、問いが次の活動を生み、大人の叱咤激励が活動を持続させる。五島高校のバラモンたちは、こうしたサイクルに支え、育てられている。地域の大人とつながると生徒は自走し始める1年1学期【地域と社会を知る】● ガイダンス/社会を知る(業界地図を使ったワーク)● 五島市を知る(五島市の方の講演)● 財政教育プログラム(財務省の教育プログラム)● バラモンセミナー(社会人講演会)2学期【視野を広げる】● 社会と接点を作るセミナー&ワーク H29年 バラモンプラン講演会 H30年 ばらかもんプロジェクト (五島に熱い人への聞き書き)3学期【テーマと問いを考える】● 成果物作成● 社会探究型課題研究のテーマと「問い」を考える2年1学期【アクション①】● 社会探究型課題研究のテーマと「問い」を考える● 「問い」を検証するためのアクション①● 中間発表①(6月)● 「問い」を検証するためのアクション②● 中間発表②(7月)9月● 「問い」を検証するためのアクション③● 中間発表③(9月)10月● バラモンバトル(最終発表会に向けた校内選抜会)11月● 最終発表会(MY PROJECT AWARD校内選抜会)12月● 修学旅行でブラッシュアップ● レポートをまとめる1月● レポートをまとめる2月● レポート集完成写真右から樫本英人先生、辻 忠先生(バラモンプラン運営委員会)■ バラモンプランの年間スケジュール■ 学校外の学び「バラモンプラス」取組例・ こども大学~かまぼこ学~・ ベンチ塗りWS・ 観光アイランド(長崎大学・横浜国立大学と)・ 土壁を塗ろう! 有川邸土壁WS・ 長崎海洋大使スコットランド派遣・ 石田城周りの街路デザインWS・ DIG ビジネスプランコンテスト・ 長崎大学地域医療セミナーinGOTO・ 武家屋敷に私たちの庭園を ~松下邸跡地手入れと戦略作りのためのWS~ ※WS=ワークショップ写真右から内海伶美さん、中村竜也さん、森 心太さん、川端涼太さん、泉 理菜さん、中村憲貴さん、福嶋通明さん512019 JUL. Vol.428
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