キャリアガイダンスVol.428
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「保育の聖徳®」としても知られ、長く幼児教育・人間教育に寄与してきた本学は、2014年の看護学部新設を機に「自立するチカラをはぐくむ女性総合大学」というスローガンを掲げました。 私たちが育てたいのは、自分らしさを持った自立した女性。自分で意思決定し、挑戦する女性です。ただし、自立とは人に頼らず生きていくことにあらず。人とのつながりや、建学の理念でもある「和の精神」を大切にしてこその自立です。 学外での研修に力を入れているのもそのため。入学直後のフレッシュメンキャンプでは、在学中の目標や成長プランについて担任やクラスメイトと話言い続けています。学生にとっては負荷もかかるでしょう。当初、「授業が厳しく課題も多く、アルバイトをする時間もない」とこぼす学生もいました。しかし改革の理念が浸透してきた今、自己の可能性に挑戦する学生が増えてきたことを実感しています。長年、保育士や幼稚園教員の採用数で全国トップクラスの実績を誇るなど、就職率の高さに定評のある本学ですが、難関といわれる企業や、能力が試される職場を志望するなど、明らかに積極性が増しました。昨春卒業した看護学部の1期生も、急性疾患の治療を24時間体制で行う急性期病院に多数、採用されました。 本学の卒業生を待つのは即戦力が求められる世界です。新人であってもベテランに引けを取らない技術が求められますが、それ以上に大切なのは学び続ける力です。最新の技術もすぐに古くなる変化の激しい時代においては、常に自分をアップデートする意欲が欠かせません。 人は等しく能力を持っていますが、なかには、「自分の上限はここ」と線を引く学生もいるでしょう。けれど「あなたの上限はそこではない」と教職員が導けば、必ず伸びていくもの。そのことを伝え続けたいと思います。【学長プロフィール】かわなみ・ひろずみ●2011年5月より現職。学校法人東京聖徳学園理事長・学園長。文部科学省大学設置・学校法人審議会委員(学校法人分科会)、日本私立学校振興・共済事業団理事(非常勤)、日本私立短期大学協会常任理事、一般財団法人短期大学基準協会理事、一般社団法人全国栄養士養成施設協会副会長ほか役職多数。【大学プロフィール】1933年聖徳家政学院、新井宿幼稚園創立。90年聖徳大学開学。現在、児童学部、心理・福祉学部、文学部、人間栄養学部、看護学部、音楽学部の6学部のほか、短期大学部、大学院を有する。独自の人間教育カリキュラムを通じて、人間力豊かで、社会で輝く「凛」とした女性の育成を目指す。自立するチカラをはぐくむ「女性総合大学」として、自ら行動し挑戦する女性を応援したいし合うことで、大学生活への意識づけを行います。また、夏期に実施される3泊4日の学外研修Ⅰでは協調性や対人スキルを高めます。 1・2年次(短大は1年次)に受講するSEITOKU Academic Literacy(夢プロジェクト)は、大学での学びに不可欠な基礎力として、文章構成力、論理的思考力を身につけ、創造的に課題解決する力の育成を目指しています。それが学びとキャリアをデザインする力につながっています。 このほか、学部学科の改組を含め、2012年以来、多くの改革に取り組んできました。それに伴い、学生には多くのことを要求しますし、私も事あるごとに「自分の限界を超えろ」と̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/大平晋也聖徳大学聖徳大学短期大学部学長川並弘純552019 JUL. Vol.428

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