キャリアガイダンスVol.428
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保健医療、心理、福祉、保育など対人援助に関する専門職業人の育成を目指し、大阪人間科学大学は、既存の人間科学部1学部6学科を、2020年4月に3学部7学科へ再編する予定です。学問分野の高度化・専門化に対応すると同時に、本学が養成する人材像をわかりやすく高校生に伝え、対人援助の専門職をリードできる学生を育てたいと思っています。 具体的には、保健医療学部(仮称)を新設し、理学療法学科(仮称)と言語聴覚学科(仮称)に加え、作業療法学科(仮称)を新たに設置することでリハビリテーション系の3分野をカバー。また、臨床発達心理と健康心理の「チーム支援」の一員のみならず、リーダーとしてチームを先導できる対人援助の専門職業人を育みます。 さまざまなことに目が届きやすい規模の大学であることに加え、こうした授業によって、学生同士、また学生と教員の距離が近いものになっています。加えて、担任・副担当として教職員が密接に連携し学生の相談にのるFA(ファカルティアドバイザー)という制度も機能。キャリア担当の職員も学生全員と進路面談をするなど、面倒見のいい指導には、高校の進路指導の先生方からも定評があります。 また、本学は社会福祉学科や子ども保育学科の学生を中心に、学びとも連動したボランティア活動も盛んです。 福祉や介護は労働集約型のハードな仕事という認識が一部にあり、人材不足も指摘されています。一方で、少子高齢化が加速する時代、こうした職業の在り方次第で日本社会の展望は開けていくはずです。どんなに技術が進歩しても、それを扱うのは人間です。人の気持ちに寄り添うことが対人援助の専門職の核であり、AIに代替はできません。子どもたちがあこがれる職業であるためにも、「日本の課題に挑戦する大学」であり続けたいと考えています。【学長プロフィール】たなか・やすかず●京都大学工学部卒業。同大学院工学研究科修了。工学修士。大阪府立高校教諭、大阪府立高等学校長、大阪府教育委員会指導主事、同教育監、近畿大学教授などを経て2017年4月より現職。【大学プロフィール】1931年薫英女子学院創設。2001年大阪人間科学大学開学。現在の人間科学部1学部6学科(社会福祉学科、医療福祉学科、子ども保育学科、健康心理学科、医療心理学科、理学療法学科)を、2020年4月、3学部7学科に再編する予定。多職種連携の「チーム支援」をリードする対人援助の専門職を3学部7学科で育みたい二領域を備えた心理学部(仮称)を新設し、大学院との連携で国家資格である公認心理師の受験資格取得が可能となります。既存の人間科学部については、社会福祉学科、医療福祉学科 視能訓練専攻、子ども保育学科に再編する予定です。(保健医療学部・心理学部は届出済) 3学部になることで横の連携を一層強化していくつもりです。医療における「チーム医療」同様、対人援助分野でも多職種連携の「チーム支援」が求められているからです。現体制でも、所属学科にかかわらず全学科の内容を共に学び、討論も行うリレー講義を展開していますが、3学部体制ではこれを「対人援助演習Ⅱ」として発展。̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/杉田和司大阪人間科学大学学長田中保和612019 JUL. Vol.428

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