キャリアガイダンスVol.428
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リクルートサービスを活用した実践事例【学習】1923年創立/普通科(男女) 生徒数/1426名 進路状況(2019年3月実績) 大学進学:263人、短大進学:21人、専門学校進学:60人、就職:9人、その他:27人(内留学予定6名) 2013年、創立90周年を迎えて女子校から共学校へと変わったのを機に、ICT環境を整え、授業改革に力を入れてきた羽衣学園中学校・高校。その目的は、グローバル化する社会で通用するコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、英語力を育成していく点にあるという。 「特に、入試改革によって必要となる英語4技能に関しては、生の英語を体験でき、スクリーンと音で立体的な授業ができるICTの活用が欠かせません。自学も含めたトータルな学習の構築は、ここ数年の課題でした」と英語科主任の門井辰雄先生。 文理特進Ⅰ類・Ⅱ類、進学の3コースがある同校では、生徒の英語のレベルもさまざま。そうした生徒たちが自分のレベルで自学できるようにと2018年4月に導入したのが、「スタディサプリEnglish」。活用1年で、すでに大きな成果が出たという。 「自分の聴いたことがない英単語が出てくると、話せない。しかし、英単語が聴き取れて意味が分かるようになると、自然と話せるようになる。英語のスキルアップには、つねに英語を聴ける環境を作ることが大切です。『スタディサプリEnglish』は、スマートフォンで自宅学習ができるので、スマホ世代の生徒たちはゲーム感覚でいつでも好きなときに英語を聴き、課題に取り組める。リスニング、スピーキングの採点もその場でしてくれるので、『聴き取れるようになった!』『話せるようになった!』と上達がわかり、モチベーションアップにつながる点がいいですね」と門井先生。 全学年全コースで導入後、初年度は『日常英会話コース』で課題学習を実施。 「中間考査まで40レッスン、期末考査まで40レッスン、夏休みの課題として80レッスンとしましたが、最初は課題達成率が思わしくなかった。そこで2学期に課題達成コンテストを実施し、成績に結果を反映させることに。生徒たちが真面目に課題に取り組むようになったのは、ここからです。聴き取りができるようになると発話ができ、語彙が豊富になり、定期テストの点数が伸び、オンラインレッスンなどの成績も上がってきました。何より驚いたのは、英検2級以上の合格者が、前年度の51人から92人へと、ほぼ倍近く増えたことです」 導入2年目の今年度は、特進Ⅰ・Ⅱ類で「スタディサプリEnglish」の『英語4技能コース』を授業にも取り入れている。 「4技能コースは英語検定に役立つ演習問題も多く、実践的。なかでも力を入れたいのが『シャドーイング』です。英語が聞こえてきたら、すぐに意味をとらえて発話することでリスニング力が格段に伸びます。こうしたトレーニングは、集団で行ってこそ意味がある。ボソボソとしか英語が聞こえてこなかった教室が、様変わりしました。生徒も変わりましたが、今は私自身も、新しい授業にとてもワクワクしています」と門井先生。入試に必須の英語4技能。力を伸ばす立体的授業+自学をどう構築するか課題初年度は自学・課題に。2年目は授業にも。英語が飛び交う教室に変わった!活用取材・文/丸山佳子 学び直し  基礎学力の定着  自学習慣  アクティブラーニング【活用キーワード】羽衣学園中学校・高校(大阪・私立)ICT活用の授業+自学で聴く・話す力を強化。1年間で英検2級以上合格者が1.8倍に!英語科主任文理特進Ⅱ類コース長門井辰雄先生スタディサプリEnglish活用術● 初年度は「日常英会話コース」を 自学・課題に活用● コンテストで生徒のやる気UP 英検2級以上合格者も急増!● 生徒たちのサプリ活用法 (文理特進Ⅰ類コース2年)● 今年度からは、授業で 「英語4技能コース」を活用「単語の聴き取りを確認できる『ディクテーション』で、リスニング力がアップ。『なりきりスピーキング』は、ストーリー性ある会話で、発話が苦手でも取り組みやすいと生徒からも好評」と門井先生。「『ディクテーション』が苦手でしたが、今はかなり聴き取れます。自宅で学べるので、声を出しても恥ずかしくないのがいいです」藤本大聖さん(写真右)/「英語は好きですが、サプリを使うようになり、さらに楽しくなりました。英検2級に合格したので、次はTOEIC(TOEIC®Listening & Reading Test)の点数アップが目標」堀内春希さん(写真中央) /「前回の英検2級検定は一次(筆記)のみ合格。次回は本番で緊張しないようにサプリの『なりきりスピーキング』で話す力を鍛えます!」前田大地さん(写真左)◀『日常英会話コース』の4つのトレーニングを行い、完了レッスンが多い順に上位者表彰というコンテストを2学期に実施。▶コンテストの結果を随時発表しながら、生徒たちのやる気を促進。◀ICTルームでの授業風景。スクリーンに映し出された内容を、門井先生がポイント解説。▶「シャドーイング」のトレーニングでは、イヤホンをつけた生徒たちの大きな声が室内に響き渡っていた。◀18年度の英検合格者は2級以上92名(1級1名含む)、準2級277名、3級609名。3級以上合格者は全校生徒の79.1%に。優秀校として日本英語検定協会から表彰を受けた。英検合格者2018年度末準2級2級、1級2017年度末277名247名92名51名652019 JUL. Vol.428

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