キャリアガイダンスVol.429
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高校に入学してから何を思い、誰と出会い、どう考え行動してきたか。そうした経験を通して、どのように自分は変わってきたか。「未来を創る主体」となるまでの成長ストーリーを、3人の卒業生に振り返ってもらいました。岐島前高校には、全国から生徒が集まります。島外から来る生徒は意識が高く意欲的な子が多く、島出身の私の中には、常に「島外のやつには負けたくない」という思いがありました。このライバル意識が、良い意味で、自分を前へと駆り立てる原動力になっていたと思います。 入学当初は、驚きの連続でした。みんな生まれ育った環境も価値観もさまざまで、高校の先生だけでなくコーディネーターや公営塾のスタッフといったいろいろな大人との関わりがあり、授業はとてもアクティブで、なんだかすごい世界に来てしまったなと、私を含めて島出身の生徒たちは、気後れして消極的になっていました。それが悔しくて、自分も一皮むけたくて、生徒会長に立候補しました。結果は落選でしたが、自分が積極的に行動することで周囲にも良い影響があるのだということを肌で感じ、一つ壁を越えることができました。 それからは、選手に主体性を求める監督の下バレーボール部の主将を務めたり、東北の南三陸に一人でボランティアに行ったり、自分から飛び込んでいきました。今、大学ではゼミのリーダーを務めていますが、自分が主体になって動き、リーダーとなって仲間をまとめたという経験や高校での探究的な学びが大いに活きています。 振り返ってみると、学校の探究活動や講演で、公営塾のゼミで、部活で、地域での活動で、ボランティア活動で、本当にいろんな人と出会い、たくさん話をした3年間でした。世界はこんなに広いのだと、視界が開ける思いがしました。現在は、高校での探究活動をきっかけに興味をもったまちづくりについて学んでいます。将来は、幼い頃から憧れてきた島のかっこいい大人たちと一緒に働きたいと思っていますが、高校のスタッフに言われた「まだ決めなくていい。いっぱい悩めばいい」という言葉を胸に、今できることを精一杯やりたいと思います。法政大学現代福祉学部福祉コミュニティ学科2年島根県立隠岐島前高校卒業真野拓哉さん自分の行動が周囲に変化をもたらすことを知り、壁を越える高知リハビリテーション学院言語療法学科2年高知県立須崎高校卒業鍋島 歩さん「高校時代の こんな体験が私を変えた」校では商業部に所属し、部活動に力を入れていました。特に印象に残っているのが、高知県安芸市で開催される「商い甲子園」大会への出場です。大会では、商品の仕入れから値入れ、損益計算、店舗レイアウト、販売まで、すべてを自分たちで行います。私は2年次と3年次にリーダーを務め、顧問の先生に協力していただきながら、チームをまとめていきました。その際に心がけたのが、全員に何かしらの役割を分担してもらうことと、困っている人がいたら進んで手伝うようにしたことです。時には「自分が伝えたこと」と「相手に伝わったこと」が食い違ってしまうなど苦労もありましたが、メンバー全員で一つのことを成し遂げたときの達成感はとても大きなものでした。 さらに、3年生のときには群馬県高崎市で行われた同様の大会にも出場し、高知の特産品を販売しました。みんなで一生懸命に動いた結果、どの店舗よりも早く売り切れる人気店となり、素晴らしい思い出になりました。「こんな大会があるけど出てみる?」と機会を提供し、私たちの意見やアイデアを尊重しながら伴走してくださった顧問の先生には、とても感謝しています。私にとって先生は、心から信頼でき、なんでも相談できる存在です。 高校に入るまでの私は、自分に自信がもてず、「(自分は)リーダーが務まるような学びや挑戦の機会を提供し、伴走してくれた顧問の先生高取材・文/笹原風花隠「未来を創る主体」を育む学校づくりへ高校時代のこんな体験が私を変えた382019 OCT. Vol.429

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