キャリアガイダンスVol.429
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にとって高校生活は、まさに「人生のターニングポイント」でした。地域に飛び出し、さまざまな人と出会い、多くの人と関わり合いながらプロジェクトに取り組んだことで、行動範囲や視野が広くなり、ものの考え方が自分でも驚くほどに変わりました。 きっかけは、2年生のときの探究活動。地元の活性化に取り組む「SHA(SAIKI HOUNAN ALL)プロジェクト」の一環で市役所にインターンシップに行ったのですが、そこで市役所の方に誘われて、高校生主催のイベントを企画・運営することになったのです。試行錯誤しながら進めていく過程は苦しくも楽しく、開催後には大きな達成感がありました。翌年の課題研究では、イベントで地元の商店街を活性化することに挑戦。市役所や地元の方々と協働し、空き店舗を使った高校生カフェや子ども向けのワークショップなどを開催しました。最初は先生と一緒に市役所を訪問していたのですが、市役所の方々と打ち合わせをくり返すうちに、「一人で行ってきてくれない?」と任されるようになり、気づけば自分が創り手の中心になっていました。 インターンシップをする前から市役所で働きたいという思いはあったのですが、その理由は「安定しているから」というものでした。しかし、地域に出て活動するなかで、地域が抱える課題を目の当たりにし、その課題に対して一生懸命に解決策を模索している大人たちの熱い思いに触れ、自分も地元に貢献したいという思いがどんどん強くなっていきました。私たち生徒の思いや意見を尊重しつつ、肝心なところではしっかりとサポートしてくださった先生方、こんな大人になりたいと憧れを抱かせてくれた市役所の職員の方々、そういった大人の存在が、私に一段上の視座をもたせ、成長させてくれたのだと思います。 こうして佐伯市役所への就職を決め、現在は、新しく開館する複合文化交流施設の準備に携わっています。精進して人として成長し、将来は佐伯市を背負っていけるような人になりたい、若い自分たちがそうならなければならないと、自負しています。課題解決策を模索する大人たちの熱い思いに触れ、意志が固まる佐伯市役所地域振興部大手前開発推進室 開館準備係 事務員大分県立佐伯豊南高校卒業後藤臣おみ飛とさん私器じゃない」と決め込んでいました。しかし、高校の部活でリーダーを経験したことで、「自分にもできる」と思えるようになり、今通っている学校でグループワークなどをする際にも、「私がリーダーやるよ」と率先して動けています。今後は、主体的に物事に取り組むことを通して成長できたという自分の体験を周囲の同じ世代の人たちにも伝え、誰かの背中を押せるような存在になりたいと思っています。392019 OCT. Vol.429

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