キャリアガイダンスVol.429
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 自分自身の進路への考え方の変化や深化を体験的に学び、これからやるべきことまでしっかり意識できた生徒もいた。 ただし課題もあった。昨年度は時間が十分にとれず、生徒主導では進めることが難しく教員が教え引っ張る場面が多かった。そのため今年は1年の3学期からスタート。先生が支援しながらまずは与えられたテーマで探究を1プロセス回し、テーマが変わっても自分でやれるよう、探究の方法論を学ぶステップを入れている。それを経て2年生から進路希望別の進路探究を行うことで、自律的に探究のプロセスを回せるのではと期待しているという。 進路探究で神田先生が最も大事にしているのは、自分視点だけではなく他者視点を意識することで、社会の中で自分がそれを選択することの意味をしっかり考え、将来にわたって活躍できるイメージをもって進路選択すること。 「本校が目指したいのは、大学に何人受かったかということだけではなく、一人ひとりの生徒がより良い社会の担い手になれること。進路探究を通して、そのための自分自身の在り方を見出してほしいと願っています」生徒一人ひとりがより良い社会の担い手になるために進路と社会を近づけていきたい 今回の進路探究の導入にあたり、これまでの進路行事をなくしたり、大きく変更したりということは行っていない。むしろ、丁寧に実施してきた進路指導はそのがら考えられるよう、大会場での一方的な講義ではなく、少人数グループで対話ができる形式の説明会とし、生徒はワークシート(ツール3)を踏まえ、今後の業界の発展や将来必要となる人材像、そのためのカリキュラムなどについて聞き取りながら自分の言葉でまとめていくことにしている。ままの形で残している。 例えば、1対1の進路部面談は2年生の3学期に実施。そのときの担任ではなく、3年生の担任団と進路指導部教員が生徒を受験生として扱い面談するというものだ。また、志望理由書の指導は2年生と3年生の2回実施。2年生で一度経験することで、3年生ではより自律的、自主的に書けることが狙いという。 これらの指導は探究学習とのつながりを意識。面談は、探究のさらなる「情報収集・整理分析」に、志望理由書は探究の仕上げである「まとめ・表現」になるようスケジュールを組んだ。 また、これまではさまざまな進路行事が単発的に行われていたが、生徒にとっても自分の成長履歴として残せるようポートフォリオを導入。「何のために今、この進路行事をやっているのか、どう自分が成長しているのかを、点ではなく線で自覚させたいと考えています」。 そして、いずれは3年間を通して進路行事と探究学習、教科学習を有機的につなげたプログラムを作り上げていく予定だ。従来の進路行事を活かし探究や進路指導全体とのつながりや意義を意識進路指導部神田剛一先生企業の担当者との対話の内容をまとめる。「会社の取り組みで社会はどう良くなる? どんな人の生活が豊かに・便利になる?」などの視点で書き込むようになっている。大学進学希望者はPCなどを使って探究。それ以外の進路希望者は人との対話のなかで考えを深める。上級学校の担当者との対話の内容をまとめる。「業界」に関することと「学校」に関することを別々にまとめるのがポイント。【短大・専門学校コース(抜粋)】【就職コース(抜粋)】ワークシートは、学校や企業との“対話”を前提に作られており、項目を通して、他者視点や社会の中での役割や貢献を踏まえ、その分野や業界を理解できるようになっている。ツール3進路探究ワークシート(短大・専門学校進学、就職希望者対象) 432019 OCT Vol.429

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