キャリアガイダンスVol.429
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472019 OCT. Vol.429生徒:志願書に自己PRを書けってあるけど、何も書けない…先生:そうか。自己PRに書くべきことが思いつかなくて悩んでいるんだね。生徒:うん。大したことしてこなかったし。先生:じゃあ、この紙にそれぞれ、「できないこと、苦手なこと」と「できること、自信があること」を書き出してみて。何でもいいぞ。子どもの頃のことから思いつくままに。生徒:(しばらく書いている)先生:何もできないと言っていたのに、こんなにあるよね。他にもきっと、たくさんあると思うぞ。もっと時間をかけて書いてみようか。生徒:高校生活でがんばったことを書きなさいってあるけど、ちゃんとやり切ったことがなくて…先生:あまりいい成果につながっていないから、書きづらいと思っているんだね。例えば、自分ではがんばったけど、うまくいかなかったなと思うものって、何がある?生徒:修学旅行のとき、それまでやったことがなかった班長に挑戦してみようと思ったんだけど、やっぱり難しかった・・・先生:どんなことが難しかった?生徒:みんなの意見がバラバラで、それをまとめるのがうまくできなくて。結局、○○ちゃんが仕切ってくれて、何とかまとまったんだけど。先生:そうか、○○ちゃんの協力を得ることができたんだね。生徒:志望動機を書こうと思ったけど、全然思い浮かばなくて。かえって、この仕事は自分には無理なんじゃないかって、不安になってきた…先生:じゃあ、ここで少し気分を変えてみようか。目をつぶって、誰か一人、大事な人を思い浮かべてみて。その人に、迷惑かけたこと、してもらったこと、自分がして返したこと、それぞれを思い出してみて。(5分くらい)どうかな?生徒:なんか、いっつも助けてもらってばかりで、自分何にも返せていないなと思って…先生:そうか、いつも助けてもらえていたんだね。そういう人が身近にいるのは、とても心強いね。そういう大事な人に、何かしっかり返せるような人になりたいよね。<例えば、こんなやりとりへ><例えば、こんなやりとりへ><例えば、こんなやりとりへ>苅間澤先生のワンポイントアドバイスクラス全体で、つながりや感謝を共有するのも効果的です『実践ポジティブ心理学―幸せのサイエンス』前野隆司著 PHP新書幸福度を測るテストや簡単なエクササイズなども紹介されていて、ポジティブ心理学の入門としてわかりやすく解説されている。 今回の3つのケースをカウンセリング心理学で捉えると、ケース1はありのままを見つめ直してリフレームする、ケース2は問題の直面化とプロセスの重視、ケース3はマインドフルネス・内観のワークで「今、ここ」に視点を移す、ということになると思います。 ここでご紹介する『実践ポジティブ心理学』の著者・前野隆司先生は、日本人のためのポジティブ心理学として、幸せの条件に4因子を挙げています。一つは、自己実現と成長につながる「やってみよう!」因子。さらに、人とのつながりと感謝の「ありがとう!」因子、いい意味で楽観視できる「なんとかなる!」因子、自分はこうなんだという独立と自分らしさの「ありのままに!」因子。つまり、幸せを実感していくには、単にポジティブに考えられるだけではなく、人との関わりや感謝の気持ちも重要になるということです。そういう気持ちを醸成していくのは、1対1の相談だけでなく、クラス全体への関わりも重要になってきます。ケース3でご紹介したエクササイズなど、HRの時間などに行うことで、つながりや感謝の気持ちを共有できるといいのではないでしょうか。

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