キャリアガイダンスVol.429
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時に強いリーダーシップも辞さず、時に強いリーダーシップも辞さず、いかに先生方をその気にさせいかに先生方をその気にさせサポートするかが自分の役割サポートするかが自分の役割まとめ/堀水潤一 撮影/大矢直史つだ・けんたろう1972年長崎県佐世保市生まれ。島根大学理学部数学科卒業。岡山大学大学院自然科学研究科修了。博士(理学)。専門は非可換環論。海産物問屋の跡取りながら、「自分の道を進め。夢を追え」と両親に背中を押され、数学者の道を志す。博士課程3年のとき、非常勤講師として関西高校に勤務。男子校の風土が合い、狭き門であるアカデミックポジションより、「今まで得た知識を高校の現場で活かせる道もある」と教職の道へ。嬉しかったのは、「何よりも数学が好きになり、数学者を目指す」という生徒に出会えたこと。また、大学受験は不本意に終わりながら夢を捨てず、法曹界で活躍している教え子の存在など。12年普通科国立進学コース主任、15年普通科長、18年主幹教諭(普通科長兼務)。19年より現職。体操指導者として知られる同じく新任の藤原佳市校長を支える。 本校は昨年、本館校舎を新築しました。多目的情報教室は壁一面がホワイトボード。数式等も残せるため理数教育や探究授業に最適です。ICT環境も整いました。なかでもITビジネス科の先生は熱心で、ドローンやVR機材を授業に取り入れています。21世紀型スキルやSociety5・0などの教育理論や社会動向も、流行りに踊らされることなく、教育研究課の先生を中心に実情に合わせて現場に落とし込んでいます。 環境は整いました。ただ、学校教育でより大切なのは人と人との関係です。その点、本校は先生と生徒、生徒同士の繋がりが強く、皆が学校を自分の居場所だと感じてくれています。 私個人は、教育の最終目標は生徒の自己肯定感を高めることだと確信しています。一人ひとりが「俺、やればできる」と実感し、生きる力を身に付ける。そこに至るならば手段は問いません。だから本校には、学業や部活動をはじめ、生徒の良い面を測る物差しや、人と接する機会を数多く用意しているのです。地域の夏祭りでは、電気科が開発したソーラーパネルを使って灯篭を灯すなど、毎年大勢の生徒が手伝い、地元の方から感謝されています。人の役に立ち、ほめられ、必要とされる。その一つでも感じられれば、自分の力で飛躍していくことでしょう。 今年度、校長直属の戦略チームが始動し、入試広報を中心に、新たな施策を次々と実践に移しています。志願者を少しでも増やすためのロードマップも作成。いつ何の目的で、何をするかを明らかにするとともに、部署ごとの数値目標も掲げました。慣れるまで時間は必要でしたが、次第に校内に浸透していきました。 その一環で今秋、オープンスクールに加え、中学生の保護者対象の「進路直前大相談会」を実施します。前者の主役は生徒であり、司会や説明を行う生徒の表情から男子校の良さを感じてもらえる一方、後者の主役は先生方。具体的なことを知りたい保護者に対して、入試については教科主任、面接については生徒指導担当、授業料や就学支援金は事務職員という具合にブース形式で対応します。その過程で、「この先生になら息子を託せる」と感じていただきたいのです。その際の私の役目はお茶配り。日常においても、いかに先生方をその気にさせ、サポートするかが私の役割です。口を挟みたいときもありますが、若手の発想と熱意を大切にしようと心掛けています。 立場上、強いリーダーシップを発揮しなくてはいけない場面もあります。時に波風が立つこともあり、現場で数学にだけ関わっていたいという本音もあります。しかし管理職とはそういう仕事。本校の校訓は「天分発揮」「敢かん為いの精神」「質実剛健」です。生まれながらの個性を伸ばす天分発揮や、困難に打ち勝つ敢為の精神を教育のベースにしています。私はこの校訓が大好き。与えられた役割を執念をもって推し進めることも、敢為の精神だと思っています。最新の教育環境もすべて生徒の自己肯定感を育むため個性を伸ばす「天分発揮」と困難に打ち勝つ「敢為の精神」1887年私立岡山薬学校として創立。県内唯一の男子校。普通科(国立進学コース、スーパー理数コース、特別進学コース、総合進学コース、体育進学コース)、ITビジネス科(アドバンスコース、ビジネスコース)、電気科(電気コース、情報コース)の3科を置く。2018年、多目的情報教室と図書館を含む5階建ての新校舎が完成。同時に、県を代表する産業であるデニムの新制服を採用し話題に。関西高校(岡山・私立)津田 建太郞関かんぜい西高校 副校長492019 OCT. Vol.429

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