キャリアガイダンスVol.429
55/66

短期大学としての長い歴史を継承し、2010年、東北文教大学・同短期大学部は開学しました。以来10年をかけて明確にしてきた大学の強みを評価し、次の時代へ発展させていくことが、今年度学長に就任した私の役割だと思っています。 本学の強みの一つは保育、教育、福祉分野をはじめとした就職力です。特に小学校教員の就職率は、国公立の教員養成大学に引けを取りません。教職実践センターでは、教育実習や採用試験の支援にとどまらず、将来を見据えた指導を、校長経験者をはじめとした職員が丁寧に行っています。 学生の満足度が高いことも誇りです。近隣の大学グループと共に継続し本学のような大学は、どうしても留学機会に恵まれません。一方、教職や福祉の世界においても国際性は重要課題です。その点、留学生と共に学ぶことは、学生の視野を外に向ける絶好の機会と捉えています。 二つめは、近隣に建設が予定されている児童遊戯施設との連携です。本学はこれまでも地域とのつながりを大切にしてきました。保育や幼児教育、福祉の知見を活かし、地域の人との交流の場にしたいと思います。 そして学科の新設です。現在、人間科学部には子ども教育学科1学科を設置していますが、ここに人間関係学科(仮称・設置構想中)を加える計画です。前者が、発達段階に応じた子どもの「育ち」という縦軸を研究・教育する学科だとすれば、後者は、子どもを取り巻く家族や社会を含めた人間関係という横軸を、コミュニケーション、心理、福祉の観点からアプローチする予定です。社会生活において人間関係が不要な場所はありません。汎用性の高い学びにより、就職先の幅が広がるほか、大学進学率の低さが指摘される県内の高校生の受け皿になることを期待しています。そして、地域に学び、地域で働く環境をいっそう整えたいと思います。【学長プロフィール】すが・かずよし●千葉大学卒業。金沢大学大学院修士課程修了。筑波大学大学院博士課程単位取得満期退学。横浜市公立中学校教諭、静岡女子大学専任講師、山形大学教授などを経て、2016年東北文教大学教授。19年より現職。【大学プロフィール】1966年山形女子短期大学(現 東北文教大学短期大学部)開学、2010年東北文教大学開学。東北文教大学に人間科学部子ども教育学科、東北文教大学短期大学部に総合文化学科、子ども学科、人間福祉学科の3学科と留学生別科を設置。就職力という強みに、国際性や学科の新設を加え、地域に学び、働く環境を整えたいて実施している調査では、この3月に卒業した学生の満足度において本学が最上位に位置していました。本学では、会議や打ち合わせの席上、教職員の口から学生の名が自然と出てきます。手取り足取りが過ぎると自立心を損なう恐れもあるため、見守ることも大切にしていますが、教育内容に加え、そうした距離感も満足度につながっているのでしょう。 今、本学では三つの改革が進行しています。一つは、中国人留学生の受け入れです。山形県では黒竜江省と関係を強めており、その一環として、現地の医療系養成校を修了し、介護福祉に興味をもつ留学生を受け入れる計画です。実習に多大な時間を割く̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/村上秀樹東北文教大学東北文教大学短期大学部学長須賀一好552019 OCT. Vol.429

元のページ  ../index.html#55

このブックを見る